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【浦和】宇賀神友弥の天皇杯優勝決定弾を導いた李忠成の一言

宇賀神キャノンが炸裂! 2018年の天皇杯決勝、浦和が12年ぶりの優勝を果たす。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

2018年、埼スタでの仙台戦。「枠に飛ばしてくれれば、あとは俺が何とかするから」

 J1リーグ 浦和レッズを今季限りで退団することが発表されたDF宇賀神友弥が11月21日、オンライン取材に応じて、プロ12シーズン(さらに特別指定での1年)の悲喜こもごもについて語った。

 そのなかで、2018年の天皇杯決勝ベガルタ仙台戦(〇1-0)、チームに12年ぶりの戴冠をもたらした弾丸スーパーミドルの舞台裏について明かした。

 開始13分、右サイドのショートコーナー。そのボールが跳ね返され、左に流れる。そして後ろから駆け込んだ浦和のナンバー3が、右ボレーでしっかり合わせ、矢のようなショットをゴールネットに突き刺してみせた。

「再来を期待しています! と言われますけれど、あれは一生に一度モノですね(笑)」

 そのようにあの優勝決定弾は、“年イチ”ではなく“生涯イチ”の一発だったと振り返る。

「僕はトレーニングですごく調子が良いと、どちらかと言うと“試合が怖い”とマイナス思考なになりがちです。トレーニングでたくさんシュートが入ると、試合前は常に不安と戦っていました。

 ただ、あの天皇杯(決勝)はなぜか、『このままやれそうな気がするな』という気がしていました。自分でもよく分からない謎のゾーンに入っていました。

 あの決勝戦のゴールの瞬間、冷静な自分がいたのを覚えています」

 そして試合前、李忠成から言われていた一言が、宇賀神の心を楽にさせていたという。

「試合前日に李選手(忠成/現・京都サンガF.C.)から『枠に飛ばしてくれれば、あとは俺が必ず何とかするから』と言われていた言葉が、あの瞬間、ふと頭に浮かんだことも覚えています」

 まずは枠へ――。李のその言葉がなければ、もしかすると生まれていなかった“奇跡のゴール”だった。

 ただし、宇賀神がキャリアで最も思い出されるのは「悔しいシーン」だと言う。

「悔しいことのほうが、僕は印象に残っています。まだまだ実力不足。まだまだ上手くなりたいと思うからこそ、悔しい思いが浮かんでくるのだと思います」

 2014年11月22日、勝てばリーグ優勝が決まったホームでのガンバ大阪戦。スコアレスで迎えたなか、宇賀神が放った決定的なシュートを東口順昭に止められた――そのシーンがいまだに忘れられない。

 そして、唯一の心残りは「リーグ優勝できなかったことです。何度もチャンスがありながら、ファン、サポーターの皆さんにシャーレを掲げられなかったこと。本当に悔やまれます」と唇を噛み、これからのサッカー人生で“浦和に帰ってきて”必ずその忘れ物のプレゼントを届けたいとも語っていた。

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[文:サカノワ編集グループ]

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