【日本代表】GK川島がコミュニケーションについて語る「答えのない答えを探求しているわけだから」
日本代表の川島永嗣 写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
[キリンチャレンジカップ] 日本代表 – ガーナ代表/2018年5月30日/日産スタジアム
「この状況のなかで、まず自分たちは何ができるか。それを見せなければいけない」
ヴァヒッド・ハリルホジッチ前監督の解任劇により、「コミュニケーション」が日本代表の選手たちへの取材でもテーマになることがある。Jリーグの大宮アルディージャ、名古屋グランパス、川崎フロンターレを経て、ベルギー、スコットランド、フランスの3か国でプレーしてきたGK川島永嗣が語っていたのが、ただ話をする、雰囲気をよくする。それで問題は解決しないということだった。
「話せば解決するという問題でもない。話してそれをどのようにピッチで表現できるか。コミュニケーションが取れているというのは、そういったチーム」
まず、監督であり、チームであり、ビジョンと目標がある。そこに向けて、実現するために力を合わせる。そのうえで、コミュニケーションの質が問われる。
ただし、そのやり方や進め方に「答え」はない。だから難しくもあり、楽しくもある。それがサッカーだ、と。
「もちろん(日本代表であれば)経験のある選手は多いと思いますけれど、答えはやっぱりない。ただ、それを自分たちがその答えを探し求め続けなければ、先には行けない。もちろん、経験のなかでどういう形でチームがまとまっていくのか、方向性を持ってやっていくのか、そこが大切になってくる」
加えて、要求が高く、個性が強く、そして目標が大きければ、それだけチームが一つになることもまた難しさを伴う。川島は続ける。
「そういう自分たちが高いレベルを求めて、一人ひとり成長するっていうことが、高いレベルで勝っていくことにつながる。簡単にチームがまとまると考える必要はないと思うし、一人ひとりが自分たちの力を発揮して、チームの力に変えていくことが求められます」
チームを俯瞰する立場にもなる35歳の川島は、3度目のFIFAワールドカップに挑む。「ピッチの上でやるのは選手。そこは選手が責任を持って取り組むしかない」と、変わらぬスタンスを示した。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI