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強いチームを率いる監督に求められる条件は?内田篤人にクロップが助言「狂ったようにサッカーを見ろ」

シャルケ時代の内田篤人(右)。ドルトムントのドイツ代表マルコ・ロイスとマッチアップ。(Photo by Sascha Steinbach/Getty Images for MAN)

「僕のこと、覚えていますか?」「ああ、もちろん」

 イングランド・プレミアリーグのリバプールFCを率いるユルゲン・クロップ監督が5月6日、トッテナム・ホットスパーFC戦を前にした公式記者会見(プレスカンファレンス)に臨み、そこで元日本代表である内田篤人氏から質問を受けたことが話題を呼んでいる。ユーチューブ『リバプールTV』でも、その模様が公開されている。

 内田氏は現役時代にドイツ・ブンデスリーガのシャルケ04で長くプレー。その際の最大のライバルであるボルシア・ドルトムントを率いていたのがクロップ(香川真司も在籍していた)だった。

「覚えていますか?」という内田氏の英語の質問に、クロップ監督は「ああ、もちろん」と笑顔で答える。そして通訳を介して内田は「指導者を目指す者にとって、これだけ強いチームを率いるために必要な3つの要素を教えてください」と尋ねた。

「悪いが、そんなこと考えたことないよ」とクロップは言ったが、少し考えたあと真剣なまなざしで答えた。

「監督(フットボールマネージャー)になりたいなら、サッカーを見ることだ。狂ったようにね」

 そして「それは、いずれ分かってくれると思います。フットボールを見ることです」と、改めて強調したうえで訴える。

「コーチであろうと、チームスタッフであろうと、それに15歳、16歳、10歳、あらゆるレベルでもまさにそうです。外へ出て、ピッチに立ってください。そして実践してほしい。あなたが一生懸命に取り組めば、夢は叶うかもしれません」

 現在世界最高のサッカー監督の一人であるクロップの、まさに膝を打つ言葉である。

 確かに“狂ったようにサッカーを見てきた”指導者の言葉は説得力があり、探求心も旺盛で、とても興味深いものがある。その要素や魅力が不足していると感じる監督も少なくない。

 現役引退後は様々なジャンルで活動を行い幅を広げる内田氏だが、どのようにサッカーの世界に貢献するのか、あるいは接点を作っていくのか模索している印象ではある。クロップと伍するには、クロップ以上に“狂ったようにサッカーを見る”必要がある。それができるか――。熱い助言であるが、ある意味、現実を知る重い一言にもなったに違いない。

 そのリバプール対トッテナム戦は1-1で引き分けた。南野拓実はメンバー外だった。

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