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崖っぷちJ3残留の北九州、小林伸二監督「5年間いる選手一人しかない」。『移籍の速さ』への対応を課題に挙げる

ギラヴァンツ北九州のエンブレム。(C)SAKANOWA

今季は編成も担当、「このJリーグの移籍の速さに我々はなかなかついていけていません」。

 ギラヴァンツ北九州は11月26日、ホーム最終となるJ3リーグ37節の福島ユナイテッドFC戦を1-2で落とした。すでに最下位が決定していた北九州は、今季から導入されるJFLとの入れ替え戦に臨む可能性があった。しかしJFLはHondaFCがすでに優勝を決めていたなか、2位にはブリオベッカ浦安が食い込んで全日程を終了。いずれも来季Jリーグクラブライセンスを取得していないため、北九州の残留が確定した。

 小林伸二監督兼スポーツダイレクターがホーム最終戦後のセレモニーでファン・サポーターへあいさつ。そのなかで「移籍の速さ」にクラブとして対応できていないと、成績を残す選手をしっかりプロテクトできずにいるジレンマを語り、課題に挙げた。

「本当に難しく、5年前に来た選手が我々には一人しかいません。このJリーグの移籍の速さに我々はなかなかついていけていません。いい選手が育つ土壌がある。皆さんの応援、このピッチ、ここでプレーしたいという選手は本当にたくさんいます。皆さんの声援で選手は本当に伸びています。しかしまだ選手を引き留めることができないんです」

 小林氏は今季まず強化責任者(スポーツダイレクター)を担当し、途中から指揮官も兼任した。北九州には通算で5年間携わってきた。

 そのなかで、選手が成績を残すと、高いカテゴリーや条件の良いクラブへすぐ引き抜かれてしまう。中心選手がそうやって抜けていく。契約形態を含め、現代の流れに対応できず、継続したチーム作りができずに苦しんできたと語った。

「もっと、いろんな魅力をクラブが作れるようにならないといけない。もっと魅力的なサッカーができたり、そういうところが足らなかった。出て行った選手は活躍しています。ただ、それが地域に根差したクラブになっていくだろうか。やっと選手の名前を覚えて、やっと好きになった選手が出ていってしまうという話を聞きます」

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 これは北九州のみではない課題と言える。とはいえ限られたキャリアとあって、よりより条件や環境を選手が求めるのも必然である。ユースからも選手が育ちつつあるが、核となる選手を複数年で契約していけるか……。北九州が負のスパイラルから抜け出そうともがき、そのチャンスと言えるJ3残留を果たした。

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