74歳十倉会長の増税案、三木谷会長が猛烈批判「経団連終わってる。正気か」
天皇杯を掲げる三木谷会長。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
高齢者人口ピークの2040年に向け、富裕層の税負担アップ、不足する場合は消費増税を盛り込む。
経団連の十倉雅和会長(住友化学会長)が12月9日に記者会見を行い、来年5月の任期を前に、高齢者人口のピークを迎える2040年に向けたプランを打ち出した。報道によると、社会保険料対策で、富裕層の所得税の最高税率を55パーセント程度に引き上げること、そして財源が不足する場合には消費税を増税することが盛り込まれたという。
74歳でいわゆる「団塊の世代」にあたる同会長だが、現役世代の社会保険料負担を減らし、個人消費を増やすための方策だと掲げる。ただ、そもそも現時点で現役世代にしわ寄せされる社会保険料・税負担が、さらに頑張る人ほど増やすべきだという内容に。
この「フューチャー・デザイン2040」に噛み付いたのが、ヴィッセル神戸の責任企業である楽天グループ株式会社の三木谷浩史会長だ。三木谷氏は自身のエックス(アカウントは @hmikitani)で、この記事を引用して、「経団連終わってる。日本の最高税率は55%で主要国ではダントツ。最高相続税も55%とダントツ。合わせると実質80%。中国よりも高い税金。日本から富裕層は居なくなり、海外で起業する人が増えるだろう。頑張って成功した人に懲罰的重税、正気か」と批判している。
この投稿に、多くの賛同の声が寄せられている。
三木谷会長は、国民一人あたりの税負担率がシンガポール24パーセント、インド30パーセント、アメリカ37パーセント、ドイツや中国45パーセント程度だが、日本はすでに55パーセントほどであるという図を紹介。「優秀な技術者もビジネスマンもスポーツ選手も日本には殆ど来なくなるだろう。この会長も記事の通りだとすると正気とは思えない」と疑問を投げかけている。
ただし十倉会長の案は、いわゆる富裕層にあたる国内トップにあたる大企業の役員・社員などの社会保険・税負担を増やすべきだという内容でもある。そのあたりが伝わらずにいる面もある。
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もちろん、現時点で現役世代の税負担の重さ、残る手取りの少なさは大きな課題となっている。結果的には高齢者優遇、現役世代のさらなる負担増という構図になりかねないとも言え、このプランを発端に議論が展開されそうだ。