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【福岡】金明輝監督が就任会見。選手への対応の変化を問われ…「自分のスタイルを変えたわけではない。しかし選手への配慮を大事にしないと、チームとして強固な組織は作れない」

金明輝監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

川森会長は、ルールに則り、取締役会からの承認を得ていると強調。

 J1リーグのアビスパ福岡は12月16日、金明輝監督の就任記者会見を行い、その模様をユーチューブの公式チャンネルで公開した。

 金氏はサガン鳥栖時代にユースやトップチームへの選手・スタッフへのパワハラにより監督を退任し、日本サッカー協会から指導者資格の降級という厳しい処分を受けた。その後、FC町田ゼルビアのコーチを2年間務め、S級ライセンスを再取得。そして来季、福岡トップチーム監督に就任し、J1では4年ぶりに指揮を執ることになった。

 金新監督は「僕の就任に対し、少し騒がしてしまったことに関して申し訳なく思っています」と謝罪。そのうえで「一体感を大事に、選手・スタッフをリスペクトしながら強いチームを築き上げ、J1の上位で戦っていけるよう精進していきたいと思っています」と意欲を示した。

 同指揮官は「自分自身の過ちはしっかり受け止めています。様々な見解、意見をしっかり受け止めて、これからの言動で信頼を取り戻し、一体感を作っていきたいです」と、結果を残すことで信頼を取り戻したいと強調した。

 記者会見では、鳥栖時代のユース選手へのパワハラ・暴言があったことにも触れられ、当時から指導方法などに変化はあったかという質問も出た。金氏は基本的なスタンスは変わらないとしつつも、この3年間で様々な学びを得て、選手への配慮がなければ一体感は築けないと痛感したと語った。

「基本的には情熱を持って関わり、僕自身、強い責任と覚悟を持って取り組んできたという信念を持っています。しかし以前、勝つことへの執着が強すぎるあまり、自分を見失っていた過去はあったと考えています。

 3年間、様々な学び、取り組みにより、町田でのコーチとしての2年間など、自分のスタイルを変えたわけではありませんが、選手への配慮をやはり大事にしないと、チームとして強固な組織は作れないと考えています」

 また、福岡の川森敬史会長は、金監督就任までのプロセスを次のように説明している。

 監督人事の最終的な決定は「取締り役会事項」となっていて、守秘義務項目の範囲内で、取締り役会を構成するスポンサー企業、株主に対し、事前に金氏の就任ついて相談。同会長は「金氏の反省の姿勢と実績を説明し、ご意見を求めました。クラブのバジェットとコンプライアンスの観点で執行メンバーが責任を全うする体制を説明し、理解を得て、本日の就任会見に至っています」と明かした。
 
 
 クラブ創設30周年の節目となるシーズン、少なからず逆風が吹くなか、アビスパ福岡はクラブ一丸で金氏とともに突き進む体制が求められる。