全国制覇の前橋育英、オノノジュ慶吏「山田監督からはサッカー以外の色んな要素が勝敗を分けると教わった」。全国高校サッカー選手権、7年ぶり二度目の優勝
前橋育英が7年ぶり二度目の全国制覇! オノノジュ慶吏も歓喜!!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
「選手権の約2週間、本当に一瞬でした」
[全国高校サッカー選手権 決勝]前橋育英 1(1-1、0EX0、9PK8)1 流経大柏/2025年1月13日14:05/国立競技場
第103回 全国高校サッカー選手権大会・決勝、前橋育英が流通経済大柏と延長110分間を戦ったものの1-1で決着がつかず、10人目まで突入したPK戦を9-8で制し、7年ぶり二度目の全国制覇を成し遂げた。
前橋育英の優勝を支えたオノノジュ慶吏は後半途中に交代を告げられ、優勝の瞬間をベンチで迎えた。
「点も決められず、チームに何もできず、悔しい気持ちがありました。(ベンチに下がったあと)最初ちょっと泣いてしまいましたが、気を取り直して、チームが勝つために応援しました。勝つと信じていました」
「準決勝、決勝とゴールを決められなくて、直接的にチームの勝利に貢献できませんでした。それでも日本一になれたこと、日本一に関われこと、本当に嬉しいです。本当に良かったです」
PK戦で掴んだ日本一の栄冠。オノノジュはその差を分けたのは「日本一に懸ける想い」だったと頷く。
「技術的な部分とは別に、監督がいつもおっしゃていた気持ちの部分が相手に勝っていたからだと思います」
65歳になった山田耕介監督には「サッカーの技術面だけでなく、メンタルの部分、人間力を重視しています。サッカー以外のいろんな要素が勝敗を分けることを教えてくれました」と感謝する。
印象に残っている言葉は「たくさんありますが、例えば自信は持っていいが、過信や慢心をしたらダメだ」。インターハイ県予選で敗れるという屈辱も味わったが、「王様気分というか、そうなると足元をすくわれてしまう。そうならないように常日頃から意識してきました」。
今大会は4ゴール・2アシストを記録。この大会期間の約2週間は「本当に一瞬でした」と、夢のような時間だったと振り返る。
「優勝した実感がなくて、頭のなかはほぼ真っ白です。一瞬でした。選手権の約2週間、本当に一瞬でした」
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卒業後は慶応大学に進学する。オール「5」の成績を取るほど頭脳も明晰であり、もしかするとサッカー界にとどまらないスケールの大きな存在になっていくかもしれない。