決勝PK戦放送打ち切り、日テレが視聴者を裏切った3つの問題点│全国高校サッカー選手権
前橋育英が7大会ぶり二度目の全国制覇を達成! (C)写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
テレビ放送あっての103回を数える歴史的な大会であるだけに――。
[全国高校サッカー選手権 決勝]前橋育英 1(1-1、0EX0、9PK8)1 流経大柏/2025年1月13日14:05/国立競技場
第103回 全国高校サッカー選手権大会・決勝、前橋育英が流通経済大柏と延長110分間を戦い1-1で決着がつかず、10人目までもつれたPK戦を9-8で制し、7年ぶり二度目の全国制覇を成し遂げた。
息詰まる熱戦は45分ハーフの90分間、さらに10分ハーフの延長戦でも互いに譲らず……。最後はPK戦に突入した。そしてサドンデスとなる6人目以降、さらにハラハラドキドキの展開に。
すると8人目を迎えると、日本テレビでの中継がコマーシャルに切り替わり、そのまま番組終了となてしまった。CMが3分間続いたあと、「news every.」の冒頭で、10人目の決着が報じられた。歓喜の瞬間は、しっかり放送することはできた。
とはいえ、8人目では両チームのキッカーが失敗していた。ここで決着がついたことも大いにあり得たわけだ。いずれにせよ、最大の盛り上がる場面で、唐突に放送終了を迎えることになった。
今回は放送中にまったく説明がないまま、大会スポンサー企業の名前が読み上げられ、突然、放送終了を迎えた。
例えば『TVer』で配信されていることの説明も一切なかった。このあと、どのように放送がフォローされるのか詳しい説明もないままに。加えて『TVer』もつながらない状況に陥るなど、混乱が生じて、読者をないがしろにする形になってしまった。
何より、これまで試合を見守ってきた続けてきた視聴者への説明もなく、配慮が感じられなかった。さすがに”馬鹿にしている”と受け止められても仕方のない理不尽な展開だった。それだけにSNSでも様々な批判の声が挙がっている。
もちろん放送の最大延長は16時45分とはなっていた。延長・PK戦に備えての月島琉衣さんによる番組枠で、調整できるようにも本来は配慮されていた。何よりこうして高校選手権が103回の歴史を迎えられているのは、日本テレビと民法各社の放送あってでもある。
とはいえ、読売ジャイアンツ戦で最も盛り上がるシーンを迎えて中継が終わってしまう……。昭和から平成にかけてのプロ野球放送を思い出させるような、ある意味、日テレが最も頭を悩ませてきたスポーツ中継の終わり方になってしまった。
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唐突な放送の終わり方、放送についてのフォロー不足、視聴者への説明・配慮のなさ……。テレビ地上波でのサッカー中継は、限られる機会になっている。ただし例えばVARの導入により、日本代表の試合、ワールドカップの試合でも、今後は試合時間が予想以上に長引くケースは十分想定される。それだけに、今回であれば、例えばPK戦に入った場合は画面内にスポンサーが登場するなど、サッカーやスポーツにふさわしい対応策は求められるかもしれない。