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メッシはインテル・マイアミと契約延長へ。MLSの次なる野望とは?

インテル・マイアミのリオネル・メッシ。(C)SAKANOWA

2026年の新スタジアムオープンを共に迎えたい意向。

 MLS(メジャーリーグサッカー)のインテル・マイアミに所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(Lionel Messi)は2025年で満了を迎える契約を、さらに延長することが確実視されているという。『ジ・アスレチック』が4月12日に報じた。

 インテル・マイアミの新スタジアムはマイアミ・フリーダム・パークで2026年に開業を予定している。2万5000人規模だが、テーマパーク的になるアメリカでも貴重なサッカー専用スタジアムになる。そのオープンの目玉として、メッシとともに迎えたい意向だ。

 同時に、MLSとしても、これまでの課題を見つめたうえで、この世界一のスーパースターがいる間に、今後の戦略を立てていきたい考えだ。94年のアメリカW杯、次回2026年の北中米W杯の開催、プレミアリーグ人気、ヒスパニック系増加に伴うサッカー熱の上昇、そしてデイビッド・ベッカムを先駆者に現在のメッシらスターの参戦……。アメリカでのサッカーの選手数、さらには「観たいスポーツ」でもサッカーが野球(メジャーリーグベースボール)を超えたというデータが示されている。

 ただし、サッカーは男女合わせての人数であり、プレミアリーグの視聴が多く、MLSがその人気を支えているかどうかはまだ見えにくいところもある。マーケットの規模は、あくまでもMLBのほうが圧倒的に上である。アップルTVがMLSをサブスクリプションで配信しているものの会員数は非公表であり、よりメジャースポーツにするのであれば、他の視聴方法が必須になるという声も多いそうだ。

 もちろん、サッカーがメジャーになっていく土台はできつつあり、そこでMLSは次なる段階を目指しているということだ。

 同メディアは、サラリーキャップ制の変更により、さらにスター選手を増加させたい意向である。また、最短で2027年から秋―春制の移行も検討されている。ただし、ブームや熱は訪れているが、そうした欧州との競争に向かう「規制緩和」が、結果的に、欧州リーグに飲まれてしまうことを、MLSとしては最も警戒している。

 インテル・マイアミの共同オーナーであるホルヘ・マス会長は、次のように語っているという。

「MLSは大きな視点で考えなければならない。MLSが世界で7位、8位、9位のリーグとして成功することは望んでいません。アメリカのメディア環境において、視聴者数がリーガMXやプレミアリーグに次ぐべきではない。MLSが世界トップリーグの一つ、あるいは世界最高のリーグになることを目指しています。そのために何をすべきか。それは世界最高の選手たちを惹きつけること。3年、4年、5年後には、世界トップ50の選手のうち15人から20人がMLSでプレーすることを願っています」

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 どのように一流タレントをアメリカに結集させるか。メッシとともに、MLSはそのテーマについて考え、挑んでいくということだ。