【浦和】右SBでフル出場の長沼洋一が悔やむ、決勝ゴール永井謙佑との駆け引き「タイミング的に一緒に走っているように思っていましたが…」
浦和の長沼洋一。写真:松村唯愛/(C)Yua MATSUMURA
偽サイドバック的なポジショニングに可能性、チームとしてモノにできるか?
[J1 18節] 名古屋 2–1 浦和/2025年5月24日17:33/豊田スタジアム
J1リーグ18節、浦和レッズが名古屋グランパスとのアウェーゲーム、途中出場組による金子拓郎のクロスから渡邊凌磨が先制点を決めたものの、後半の2失点で1-2の逆転負けを喫した。リーグ4試合ぶりの黒星に。
直近の川崎フロンターレ戦で脳震とうの疑いが持たれた石原広教がこの日は欠場。代わって、これまで左サイドバックで出場していた長沼洋一が、右SBとしてフル出場した。
ただ先発7人を入れ替えたなかで、前半は長沼も埋没。「システムの噛み合わせの影響か、プレスがハマらない感じがあり、押し込まれてから押し返すパワーがなかったのかなと。跳ね返しても、そこからのパワーが足りなかったのかもしれません」と、前半はシュート数14本対1本というデータが物語るとおり、一方的に押し込まれた。
そこで長沼も「割り切って守れればいいかなという感じでした。そういう試合もありますし」と、ゴールを守ることに集中したという。
そうしたなかで51分、ワンチャンスをものにして浦和が先制できた。ただ、そこから守備にある程度重点を置きながらも、どのように2点目を奪いに行くのかという意思統一をできなかった。
「2点目を取りに行って、(試合を)終わらせることもできたら良かったと思うし、後半の遅い時間帯に先制していたら、また展開が変わったかもしれません。後半の早い段階に先制できたので、やっぱり2点目を取りに行きたかったです」
そしてアディショナルタイム、ダイアゴナルのクロスを長沼がヘッドでクリア。それを永井に拾われて、決勝点を決められた。
浦和の選手たちのプレスがかからず、ボールサイドへ寄せられない。失点を喫する、浦和が“やられるパターン”で、案の定、決められた。
「難しかったです。映像で見ると、簡単に見えるのかもしれませんが、その前まで、永井さんの背後を狙うのを含めた走りがあり、タイミング的に一緒に走っているように思っていました。浮き球から目を離せないし、周りから多分声も掛けられていたはずですが、聞こえなかったです」
背後にボールは抜けないだろう。そう判断した永井は切り替え、セカンドボールを狙って――その通りになった。駆け引きで長沼は永井に上回られた。
「クリアする方向は悪くなかったと思いますが、そこに永井さんがいました。改善もできると思います。あそこで俺が……。難しかったです」
長沼はそう悔やんでいた。
石原不在のなか、後半途中からはボランチ的なポジションをとる“偽サイドバック”の動きからギャップも作り出した。ただ、そこから相手を脅かすような攻撃にはつなげられなかった。
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それだけに、長沼のその位置取りをチームの戦術として採り入れていくのかどうか。可能性は感じられたが、果たして――。