【浦和】復活の柴戸海、松本泰志との“新ボランチコンビ”が示した可能性「チームに自分がもたらせることは必ずあるはずだと思っていた」
浦和の柴戸海。写真:手塚大介/(C)Daisuke TEZUKA
「お互いを見ながら、支えていければ。これからより高いレベルで続けていきたい」
[J1 28節] 浦和レッズ 1–0 アルビレックス新潟 / 2025年8月31日19:03 / 埼玉スタジアム2002
J1リーグ28節、浦和レッズがマテウス・サヴィオのゴールを守り切り、アルビレックス新潟に1-0の勝利を収めた。公式戦2試合連続で逆転負けを喫していた悪い流れを断ち切り、無失点で勝点3を掴んだ。
ヒザのケガから復活を遂げた柴戸海がこの試合の81分に途中出場し、FC町田ゼルビアにレンタルされていた昨年8月以来約1年ぶり、レッズでは2023年11月のホームでのシーズン最終戦となったアビスパ福岡戦以来となる公式戦出場を果たした。
劣勢を強いられるなかでの登場に。最近のチームの苦い展開も目の当たりにしてきた。ここで柴戸がミドルゾーンの番人として、“ピンチの手前”の芽を摘んで新潟の反撃を食い止め、逃げ切りに貢献した。
柴戸は試合後、「リーグ戦の出場は1年以上空いていて、加えて、ピッチに立った時のサポーターの歓声を受けて、やっとここに帰って来れたなと、自分の中で一歩先へ進められました。本当に力になりました」と、安堵の笑みを浮かべた。
「ここ数試合は(リードしながらも)ひっくり返されていて、自分の中で(プレーの)イメージはできていました。チームに自分がもたらせることは必ずあるはずだと思っていました。今日が100パーセントではありませんが、まず一つ勝てたことは、自分の中でもすごく大きいです」
マチェイ・スコルジャ監督からは「守備の部分で、専念してほしい。松尾を上手く使いながら、真ん中をしっかり締めてくれ」と指示を受けていた。
ただし、チームとしては、全体がラインを下げてしまう悪い癖がまた出た。それでも、柴戸が状況に応じてプレスをかけるなど新潟の自由を奪ったことで、なんとか無失点につなげた。
「どこかでもう1点奪えれば楽になりましたが、なかなか難しい時間帯でもありました。何を優先するのかはチームで統一できていて、この1勝は、本当に価値があると思います」
スコルジャ監督は試合終盤、「柴戸+松本泰志」というボランチコンビを選択。「サミュエル・グスタフソン+安居海渡」のコンビが固定化されてきたなか、彼らの相当に蓄積された疲労も踏まえ、オプションであり新たなチームの原動力として、その“新コンビ”に期待していることがうかがえた。
柴戸も「泰志は前にも後ろに行けるので、お互いを見ながら、支えていければと思いました。これからより高いレベルで、続けていきたいです」と、苦しみながら結果を残したことで、一つ手応えを得た。
またスコルジャ監督も柴戸について、「柴戸海の復帰は私たちにとって嬉しいニュース。長い間離脱し、しかも今日はとても難しいシチュエーションでの投入でしたが、いい仕事をしてくれました。柴戸のスキルと経験は、私たちにとって重要になります」と評価していた。
そして今回は連戦ということでサポーターとの合唱はなかったが、埼スタに響く『We are Diamonds』を聴いて、29歳のボランチは「グッと来ました」とも熱く語った。
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柴戸がピッチに立てば勝つ――。その一歩目を埼スタでスタートさせた。浦和にとっても、頼れる男がようやく帰ってきた。