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【Jリーグ】再開後のVAR採用検討へ。連戦による審判の負担配慮

VARのオペレーションルーム(2018年5月の日本代表戦で公開された際のもの)。(C)SAKANOWA

IFABの通達で、再開時に選択可能。これまでの『基本的にVAR実施』の方針からややトーンが変わる。

 Jリーグは5月22日、臨時の実行委員会を行い、新型コロナウイルスの影響により延期されているリーグ戦とルヴァンカップについて、全都道府県の緊急事態宣言が解除された場合には、29日にも具体的な日程を発表すると申しわせた。順調に行けばその29日から4、5週間後、6月下旬や7月上旬にも再開される見通しだ。

 22日の実行委員会のあとのメディアブリーフィングで、Jリーグの村井満チェアマンは、今シーズンからJ1リーグで採用されているVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)について、オペレーションルームで「三密」の作業を余儀なくされることのみならず、過密日程による負担にも配慮し、採用について検討するという考えを示した。

 村井チェアマンは「レフェリーも選手と同様、体調の管理、行動記録、もしくは移動等のレギュレーションに十分配慮する必要があると思います。一方、VARは再開方針を決めるタイミングで、結論を出さないといけないと思っています」と、これまでの『基本的にVAR実施』の方針からややトーンが変わった。

「実際、オペレーションルームも密閉空間で、換気が十分かどうかの検証も必要です。水・土・水曜日の連戦が続いていった時、ピッチに立つレフェリーがVARを兼任するケースもあり、人の手配、そのあたりのローテーションを組めるのかどうか。様々な角度から検証する必要があり、相互間で判断していきたいと思います」

 村井チェアマンはそのように説明し、VARの採用について含みを持たせた。

 日本サッカー協会(JFA)はこのほど、世界の統一されたルールを定める国際サッカー評議会(IFAB)の通達に従い、Jリーグをはじめ今後のあらゆる大会が再開された際、選手・審判への負担を減らすための措置を積極的に取り入れるように発表。選手交代枠「5人」のほか、VARを採用しているコンペティション(J1リーグ、ルヴァンカップ)についても、開幕・再開時の段階で、主催者の判断で使用を中止することも認められている。ただしVARを採用する場合、VARの手順をすべて適用しなければならない(簡素化などは認められない)。

 審判についても移動の負担を軽減する必要性がある。とはいえ、審判団にとって、VARがあるほうが判定の負担が減るはずであり、どのような形がベストであるのか、議論も必要となりそうだ。

 ちなみに、このほど再開されたブンデスリーガでは1部、2部ともVARが中断前と変わらず導入されている(Jリーグは今季からJ1のみ採用)。遠藤航の所属する2部のVfBシュトゥットガルトは中断明け初戦、90+3分にVARによるOFR(オン・フィールド・レビュー)を経て、相手チームのSVヴェーエン・ヴィースバーデンにハンドによるファウルが認められPKを献上。これを決められて、1-2で敗れている。

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[文:サカノワ編集グループ]

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