【ドイツ発コラム│FC BayernとMunichに恋して vol.6】オリーズとククレジャ火花! 緊張感に包まれたCL初戦の夜の最後は…
オリーズとククレジャがバトルを展開。(C)Midori IKENOUCHI
在ミュンヘン日本総領事館からは注意喚起のメール。
ドイツの短い夏が終わり、サッカーシーズンがいよいよ本格化してきました。
FCバイエルン・ミュンヘンは9月17日のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)初戦、クラブワールドカップ(クラブW杯)王者のチェルシーFCとホームで激突。いきなり豪華なカードが実現しました。
私も楽しみにしながらママチャリを漕いでアリアンツ・アレーナへ。9月のミュンヘンは涼しく、片道10キロをギアなし自転車で走っても、真夏のように汗だくにならずに済みました。
試合前には在ミュンヘン日本総領事館から、日本人向けに「市内やスタジアム周辺で暴動などが起こる可能性があるため注意を」とのメールが届きました。実際、ブンデスリーガの試合よりも多くの警察官が配備され、厳重な警備態勢が敷かれていました。
昨季のCL準々決勝や決勝では、インテル・ミラノのサポーターが大挙してミュンヘンを訪れたこともあり、今回もチェルシーファンで溢れるのではと予想していました。しかし、リーグフェーズ初戦だからか意外と少なく、やや拍子抜け。 一方で、今季開幕直前にスタジアム前に建てられたフランツ・ベッケンバウアー像には多くの人だかりができ、記念撮影の列が絶えませんでした。
キックオフは21時。肌寒さの中で響くCLのアンセムに気持ちが一層引き締まります。
試合は激しく、ピッチ脇からは選手たちの怒りや失望の表情まで伝わり、こちらも息を呑みながらシャッターを切りました。 特に注目を集めたのは、バイエルンのマイケル・オリーズとチェルシーのマルク・ククレジャのマッチアップ。両者の因縁は2024年EURO準々決勝のドイツ対スペイン戦にまで遡ります。
当時、ククレジャがジャマル・ムシアラを執拗にブロックし、不評を買った記憶が残っています。 この日も主審の死角でオリーズがラフプレーに苦しみ、スタジアム中から「オリーズ! オリーズ!」の大コールが起こることも。ただ、なぜかオリーズにだけイエローカードが出され、サポーターも納得できない様子でした。
それでも試合はバイエルンが3–1で快勝を収め、CL制覇に向けて幸先良いスタートを切りました。
一方、チェルシーのエンツォ・マレスカ監督の会見は異様な静けさに包まれ、入退場時には警備員が護衛する厳重さでした。完敗の余韻による、サポーターの反応も心配されました。
しかし帰路では、バイエルンとチェルシーのファンが肩を組んで歩く姿も見られました。緊張感のあった一夜の終わりに、ほっと胸をなで下ろして、帰路につきました。
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text and photos by Midori IKENOUCHI