なぜ上田綺世のDOGSO未遂はイエローどまりだったのか。主審は“4要件”をどう判断したのか【NEC-フェイエノールト】

上田綺世 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

スーパートラップから決定機を迎えたはずだが――

[オランダ1部 30節]NEC 1-1 フェイエノールト/2026年4月12日/ホファートスタディオン

 オランダ1部リーグ(エールディビジ)第30節、NECナイメヘン-フェイエノールト戦は1-1で引き分けた。この試合、日本代表FW上田綺世のプレーを巡り、DOGSO(決定機阻止)に該当するかどうかの判定が大きな論点となった。

 問題のシーンは前半中盤、後方からのロングフィードに対し、上田が絶妙なスーパートラップで収めて、GKと1対1に近い局面を作り出した。そこで背後からDFフィリップ・サンドレルのチャレンジを受けて倒されたが、主審はまずノーファウルと判定した。

 しかしVARがDOGSOによるレッドカードの可能性があると指摘し、OFRでのチェックも行われた。そして主審はサンドレルにイエローカードを提示する、珍しいケースに終わった。

 改めてDOGSOを満たす4要件は、次の通り。

1)ファウルのあった地点とゴールの距離

2)プレー全体が相手ゴールに向かっている

3)守備側の選手の位置と数

4)ボールをキープできる、コントロールできる可能性があるか

 まず1)については、ペナルティエリア手前の位置関係であり、決定機と見なされ得る距離だった。ただし、ボールはやや前方に流れており、GKが対応できる可能性も拭えない状況だった。

 また4)に関しても、上田のトラップは“スーパー”と呼べる技術だったが、完全に足下に収まっていたとは言い切れずに少し流れており、“コントロールできている”かどうかは微妙なラインにあった。

 このシチュエーションを踏まえると、目の前で見ていた主審は、上田がファウルをもらおうとした、とも受け止めていたことがうかがえる。

 実際、サンドレルは試合後の『ESPN』の取材でレッドカードを覚悟したそうで、GKが近かったことも影響して、イエローカードにとどまったと主審から説明を受けたと明かしている。

 つまりレッドカードに近いが、決定打を欠くケースで、いわば“オレンジ寄り”のイエローカードという判定に落ち着いたと見られる。

 スーパートラップから一気に局面を打開しかけた上田の個の力が際立った一方、フェイエノールトにとっては厳しい……不満の残るジャッジとなった。

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