【日本代表】森保一監督の記者会見「もうスウェーデン戦のチュニジアではない」「出した情報がどれだけ相手に安心を与えるかも考えていただきたい」

日本代表の森保一監督。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

オランダ戦から「何人変えるかはまだ分かりません」

[北中米W杯 GS第2戦]日本 – チュニジア/2026年6月21日13:00(現地20日)/エスタディオ・モンテレイ

 サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)の森保一監督が日本時間6月20日、翌日のFIFA北中米ワールドカップ(北中米W杯)グループステージF組チュニジア代表との第2戦に向けて公式記者会見に臨んだ。

 初戦のオランダ代表戦で勝利を収めたあとも、森保監督は気を緩めることなく、監督交代を経たチュニジア代表への警戒感を強調した。

 主な一問一答は次の通り。

「オランダ戦の戦いが勝利を約束してくれるわけではない」

――オランダ戦を踏まえて。

 このワールドカップに向けて、チームが大きな目標を掲げて戦っているというところを選手たちは見せてくれたと思っています。オランダ戦(△2-2)では選手たちが非常に良いプレーをしてくれましたが、誰も満足していませんし、オランダ戦の戦いがこのチュニジア戦の勝利を約束してくれるわけではありません。

 チュニジアは監督も代わり、非常にモチベーション高く、必死になって1戦目の敗戦を取り返し、ワールドカップのグループステージ突破のために戦ってきます。彼らが死に物狂いで戦ってくるというメンタリティに対し、受け身になることなく、我々もこのモンテレイで勝利するため、相手よりも強い気持ちを持ち、さらに前進していくんだという気持ちの準備が必要だと思っています。

 また、1戦目のダラスでの空調が効いた環境とは異なり、暑さの中での試合になります。選手たちにとっても非常に厳しい環境だと思います。

 しかし、その環境も想定して事前キャンプをモンテレイで実施しました。すでに暑熱対策やモンテレイの環境を一度経験しているので、良い準備をしてきたことで、選手たちは落ち着いて思い切ったパフォーマンスを出してくれると思っています。

前回カタールW杯の教訓について

――前回2022年のカタールW杯では初戦でドイツに勝ったあと、第2戦コスタリカ戦で敗れました。その教訓をどう生かしますか。

「おっしゃる通りだと思います。前回と同じシチュエーションではありませんが、1戦目で世界のトップ・オブ・トップと言われる強豪国と戦い、良い試合をして第2戦に向かうという点では似た状況だと思います。

 前回の痛い経験を今回は結果として生かし、チームとして全力でパフォーマンスを発揮し、全力で勝利をつかみ取りにいく。勝ってサポーターや国民の皆さんと喜びを分かち合えればと思っています。

 選手たちはオランダ戦の戦いによって、このチュニジア戦がさらに厳しくなることも想定しながら、気持ちの面でも戦術面でも準備してくれていると思っています」

「もうスウェーデン戦のチュニジアではない」

――チュニジア戦について。

「できれば我々は勝ちたい気持ちを持っています。しかし、もうスウェーデン戦のチュニジアではない。

 ルナール監督が選手たちの良さを引き出し、過去の戦いから長所を見いだして落とし込んできます。ルナール監督の熱いパッションが選手たちに伝わるミーティング、コミュニケーションをとり、全く別のチームと戦う覚悟をしなければいけません」

チュニジアの印象と久保建英について

――チュニジアの戦い方の印象と久保建英の状態について。

「チュニジアは本当に個々の選手たちの能力が高いチームだと思っています。これまでのチュニジアとの対戦や試合を見てきたなかでは、堅守速攻を徹底する守備の固いチームだと感じています。

 相手の隙を突いてチャンスを作り、得点につなげられる素晴らしいチームです。実際にアフリカ予選を無失点で勝ち上がってきており、明日は局面ごとに非常に厳しい戦いになるはずです」

日本代表とサポーターの清掃文化

――日本代表やサポーターによる清掃活動について。

「これは日本が世界に誇れる文化だと思っています。多くの国民が『来た時よりも美しく』という言葉を知っていると思いますし、我々チームも最後にロッカールームを掃除して帰ります。サポーターの皆さんもスタジアムでゴミを拾って帰る。それは日本の文化だと思います。

 これまでブラジル人指導者や世界中のさまざまな国の人たちと接してきましたが、『それは違うのではないか』と言われたこともあります。ゴミを拾ったり綺麗にしたりすると、その仕事をする人の仕事をなくすことになるのではないかと言われたこともありました。

 それも一つの考え方だと思いますが、日本人は基本的に美化の意識があり、ゴミをそのあたりに捨てるようなことはしない民族だと思っています。

 また、ゴミ拾いだけではありません。ピッチでゴールやボール、さまざまな用具を使ったあと、日本人の選手やスタッフは皆で片付けを手伝います。ブラジル人のホペイロ(用具係)の方から『俺の仕事をなくさないでくれ』と言われたこともありました。

 もちろんそれで仕事がなくなるわけではありませんし、それぞれの責任ある仕事はしっかりやってもらいます。しかし、常に助け合い、協力し合うということを日本人は自然にやる民族だと思っています。

 昨日もナッシュビルでのトレーニング後、芝が付いたボールを皆で綺麗にして片付けていました。コーチ陣もやっていましたし、芝の管理をしてくださる方も一緒になって、日本人メンタリティで片付けをしてくれていました」

W杯1000試合目への思い

――モンテレイで迎えるチュニジア戦について。

「非常に光栄な試合ができることを幸せに思っています。ワールドカップ1000試合という節目の試合をモンテレイで、日本代表とチュニジア代表の戦いとして世界中の人に注目してもらえることを本当に幸せに思っています。

 ワールドカップ1000試合にふさわしい試合を明日、チュニジアと繰り広げたいと思っています。明日良い試合ができるよう全力を尽くします」

「世界平和に少しでも近づくような試合ができれば」

――第2戦への思いと日本・チュニジア外交関係70周年について。

「1000試合目、妃殿下が訪れることで、素晴らしい試合を見せたいと思いますし、我々が勝って世界中の方々に見ていただきたい。そして妃殿下にも勝利を見ていただきたい、現地に来てくださる方々にも勝利を喜んでいただきたい。国民の皆さんにも勝利を届けたいと思っています。

 ただし責任は毎回の試合と変わりません。選手たちが持っている力を最大限に発揮し、チーム一丸となってタフに粘り強く最後まで戦い抜く姿勢を見せること。それが我々の基本姿勢です。

 選手たちとも毎回共有していますし、明日の試合も変わらず自分たちのベストを尽くしたいと思っています。

 また、日本とチュニジアが国交を樹立して70周年になると聞いています。そうした意味では、サッカーを通じて国と国、人と人、異なる価値観や文化がつながることを世界の皆さんに感じてもらえればうれしいです。

 世界では戦争や紛争も続いていますが、サッカーを通じて世界平和に少しでも近づくような試合ができればと思っています」

メンバー変更は…

――中5日で迎えるチュニジア戦、先発のメンバー変更について。

「皆さんからの質問には真摯に答えたいと思っていますが、そこは控えさせてください。(スタメンを)何人変えるかはまだ分かりません。今日の練習を見て最終的に決めたいと思っています。

 皆さんが知りたいことはできるだけ話したいですが、記者の皆さんも日本代表チームの一員だと思っています。出た情報が相手にどれだけ安心を与えるかということも踏まえて考えていただければと思います」

ホワイトボード作戦の理由

――オランダ戦でホワイトボードに時間を書いて示した理由について。

「選手たちに時間を知らせるために行いました。スタジアムには電光掲示板があり時間は表示されていたのですが、真上にあって選手たちからは非常に見づらかったんです。

 多くの選手が時間を把握できず、ベンチへ何度も聞いてきました。しかし言葉では聞こえないし、指で示しても見えない。どうしようかと考えた時に、ホワイトボードに書いて示すのが一番伝わると思い、実践しました」

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