サッカー日本代表、大岩剛監督誕生へ。韓国メディアが見る「森保体制継承」メリットとリスク

大岩剛監督 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

フル代表の監督は、『育成』の集大成。「JFAにとって最も組織運営上のリスクの少ない選択」。

 日本代表の森保一監督の後任として、来年1月開催のサウジアラビア・AFCアジアカップのあと大岩剛U-23日本代表監督が3月からトップチームを率いる見通しになったと日本メディアで報じられたことを受け、韓国メディア『スポーツ・イラストレイテッド・コレア』が7月15日、「なぜ日本は大岩監督を選んだのか」と題した特集記事を掲載し、その狙いや課題を分析した。

 この記事では、今回の人事を「スター外国人監督の招へいではなく、日本サッカー協会(JFA)は継続性と世代交代を重視した決断」と位置付ける。

 森保監督は2027年1~2月に開催されるアジアカップまで指揮を執り、その後の3月シリーズから大岩監督にバトンを渡す構想だ。このプランについて「一つの大会結果に左右されたものではなく、長期的なロードマップに基づく後継者計画」と見る。

 大岩監督は、鹿島アントラーズで2018年にクラブ史上初となるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝を達成。その後はU-23日本代表を率い、2024年、2026年のU-23アジアカップ連覇、パリ五輪ベスト8進出など結果を残してきた。

 特に2026年大会では、ロサンゼルス五輪世代を中心とした若いチームで優勝を果たした点を高く評価。「勝利を追求しながら育成も両立させた」と指摘している。

 一方、JFAが外国人監督路線を見送った背景にも言及。欧州や南米の著名監督を招聘すれば10億~20億円規模の予算が必要になるほか、スタッフや戦術、代表チーム全体のシステム変更など組織的な負担も大きいと分析する。

 それに対し大岩監督は、森保監督とも良好な関係を築き、代表や年代別代表の育成方針も熟知している。「JFAにとって最も組織運営上のリスクの少ない選択」と評した。

 また、2030年ワールドカップへ向けた世代交代も重要なテーマに挙げる。久保建英、堂安律、上田綺世ら東京五輪世代が30代に差しかかるなか、大岩監督はパリ五輪、ロサンゼルス五輪世代を直接指導してきたため、若手をスムーズにA代表へ引き上げられる点が大きな強みになるという。

 もっとも、韓国メディアは課題も指摘する。

 五輪世代では十分な成功を収めたものの、A代表はクラブやリーグの異なる環境でプレーする選手を短期間でまとめ上げなければならず、より高いレベルでプレーするスター選手たちのマネジメントや戦術面での柔軟性など、求められるレベルは大きく異なる。

 大岩監督が日本の創造性をどう引き出し、世界トップレベルとの戦いで結果を残せるかが最大のテーマになると論じている。

 記事では、韓国との違いとして「日本の育成システムの成功」を挙げ、日本のフル代表の監督はその集大成を担う存在だと位置付けた。そのうえで「華やかな外国人監督ではなく、日本サッカーが積み上げてきたシステムを最も理解する指導者への昇格。それが今回の決断の本質だ」と締めくくっている。

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