暗号資産「1兆円」盗難、なぜ…どのように!? 堀江貴文氏が指摘した意外な落とし穴「取引所は時代遅れになってきているのではないか」
堀江貴文さん。(C)SAKANOWA
バイナンスは全額補償を表明
実業家のホリエモンこと堀江貴文氏が10月30日、自身のYouTubeチャンネル「ホリエモンチャンネル」で、世界最大級の暗号資産取引所「バイナンス」が不正アクセスを受け、約1兆円相当の暗号資産が盗まれた事件について詳しく解説した。
動画のタイトルは「暗号資産取引所『バイナンス』が不正アクセスにより約1兆円の被害を受けた件について解説します」。バイナンスは10月30日、不正アクセスによる被害額が約63億ドル(約9927億円)に上ると発表した。堀江氏は「これまで過去最大の事件、1兆円近くの暗号資産が盗まれたような状況になっております」と、その規模の大きさを強調した。
では、世界有数の取引所から、なぜこれほど巨額の資産が盗まれてしまったのか。
堀江氏によると、きっかけとなったのは、取引所のシステム開発や運用を担当するエンジニアのパソコンへの不正アクセスだったという。
バイナンス側も初期調査で、担当エンジニアのパソコンが侵害され、不正な資産の移動につながったと説明している。ただし、侵入方法の全容は調査中としている。
堀江氏は、暗号資産の保管方法にも注目した。
暗号資産を管理する仕組みには、インターネットにつながり、利用者の取引に素早く対応できる「ホットウォレット」と、ネットワークから切り離して保管する「コールドウォレット」がある。
バイナンスのように膨大な取引が行われるサービスでは、迅速に資産を動かせる仕組みが欠かせない。しかし、便利である一方、外部からの攻撃を受ける危険性も生じる。
今回は、そのホットウォレットが攻撃を受けた。
堀江氏は、盗まれた暗号資産のうち、米ドルなどの価値に連動する「ステーブルコイン」については、発行企業による凍結が進んだと説明した。一方、凍結できずに移動された資産もあり、被害の回復は容易ではないと指摘した。
では、バイナンスに暗号資産を預けていた利用者のお金はどうなるのか。
バイナンスは今回の被害について、利用者には損失を負担させず、積立基金や自社資金を使って全額補償する方針を表明している。
堀江氏は、被害額に対して補償用の基金だけでは十分ではないとして、「どこまで頑張って自分のお金で保証できるのか」と、その対応に注目した。
なお、バイナンスは11月1日までに、被害額の約95パーセントに相当する資産の補填を進めたと発表している。これは盗まれた資産の95パーセントを取り戻したという意味ではなく、同社が保有資産などによって不足分を埋めているということだ。
また、日本法人のバイナンス・ジャパンは、国内利用者の暗号資産を問題となったウォレットとは別に保管しており、今回の事件による顧客資産への影響は確認されていないと発表した。安全確認のため一時停止していた暗号資産の出庫について、バイナンスは11月1日から段階的な再開を進めている。
一方、堀江氏は今回の事件をきっかけに、暗号資産を取引所に預けるという仕組み自体を見直す時期に来ているのではないかと問題提起した。
「こういったカストディという方式の取引所というのは、もしかしたら時代遅れになってきているのではないか」
利用者が自分で暗号資産を管理する方法もあるものの、その場合はパスワードに相当する「秘密鍵」を紛失したり、盗まれたりすると、資産を取り戻せなくなる危険性もある。
堀江氏は、ネットワークから切り離した専用機器などを利用し、多額の資産を慎重に管理する方法にも言及した。
便利さを優先して取引所に預けるのか、自ら管理するのか。約1兆円という巨額の盗難事件は、暗号資産の保管方法や取引所の安全性を改めて考える契機にもなっている。
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