【日本代表】今季いまだ得点「0」。浅野拓磨をそれでも森保一監督が必要とする理由
日本代表でプレーする浅野拓磨。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
指揮官は「そのスピードは日本の武器になる」と強調。
2019年1月5日に開幕する(日本の初戦は9日のトルクメニスタン戦)アジアカップに臨む日本代表のメンバー23人が発表された。
9月から3か月連続で行われたキリンチャレンジカップの結果を踏まえ、森保一監督が実際に試合でプレーを見てきた選手の中から全選手が選ばれた。ベルギーで大活躍するシント=トロイデンの鎌田大地、逆に所属先で出場機会を失う香川真司らが招集される可能性も囁かれたが、リストはシンプルにこの3か月間の準備期間から厳選された”ベストメンバー”となった。
欧州組では柴崎岳、原口元気、浅野拓磨と出場機会を得られずにいるメンバーも入った。ただ前者二人はロシア・ワールドカップ(W杯)での実績をも買われたことは分かり、実際、状況に応じてチームプレーに徹せられる点で、森保監督からも高い信頼を得ている。
一方、浅野は今季アーセナルFCから再び期限付き移籍したハノーファーで、DFBカップ初戦に3部のカールスルーエ戦(〇6-0)で1得点1アシストを記録。しかしリーグ戦(ブンデスリーガ1部)は、これまで6試合0得点。シュート数10本。負傷離脱していた期間があったとはいえ、アタッカーとしては何とも物足りない数字だ。
その浅野の招集理由について、森保監督は次のように語っていた。
「ケガもあり9月以降は招集してきませんでした。ただ、ここ最近はパフォーマンスを上げ、私が視察に行った時にはメンバーに入り、コンディションも良さを確認できました。直近(14節・12月9日のマインツ戦/スコアは△1-1)の試合ではスタメン出場しています。相手を打ち破るスピードは、今の日本代表に必要だと思い招集しました」
サンフレッチェ広島時代は森保監督のもとで成長し、ヨーロッパに羽ばたいていった。
理想と現実をしっかり見極める森保監督だ。現在の「対アジア」で、浅野のスピードは必ず生かせると判断しての選出だと言える。
加えてベンチにいても腐らず負けん気を前面に出す貪欲さやひたむきさ、長期間の団体行動となるが、その明るいキャラクターも宿泊先で”貴重”だと買われたのだろう。チームを底上げし、しっかり戦力にもなり得る。
そんな恩師のためにも、浅野はアジアカップでゴールを決めるしかない。その一撃が、日本であり、自身の未来を切り開く。
文:サカノワ編集グループ