欧州移籍報道でキャリア像を問われた日本代表FW上田綺世「うーん…それは話せないです」(6/9アップ:再掲)
上田綺世。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
ベルギー1部サークル・ブルッヘの完全移籍が決定的に――。
鹿島アントラーズを勝たせることしか考えていない――。そう一貫して口にしてきた上田綺世だったが、その姿勢が少し異なった印象になった……いやスタンスは変わらないものの将来についてまた別の視座を持っている――。そう感じさせたのが、6月の日本代表活動中の取材時の一言だった。
時代は変化していく。
鹿島であればタイトルをもたらしてきた戦士だけが、サポーターにも認められる形で海外挑戦の権利を手にしてきた。しかし今回、23歳のエースは「無冠」のまま鹿島からベルギー1部中堅サークル・ブルッヘに移籍することが近づいている。
とはいえもちろん、上田の鹿島への貢献度は計り知れず高い。鈴木満前フットボールダイレクターも、条件をしっかりクリアすれば欧州移籍を容認することで、より良いタレントに来てもらえる時代になりつつあるとも語っていた。ただ、Jリーグというステージを考えると、得点王がシーズン途中に5大リーグ以外に引き抜かれていくという寂しさもやはり大きく複雑だ。
上田が6月9日に語ったコメントに関する記事を再掲する。
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サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)のFW上田綺世(鹿島アントラーズ)がキリンカップのガーナ戦前日6月9日に取材に応じ、スタメン起用も予想されるその一戦への抱負を語った。
パラグアイ代表、ブラジル代表との2試合は出場機会を得られなかった。ただ現在J1リーグ得点ランク1位の10得点を決めている上田は、常に最高の準備をすることを心掛けてきたという。
「(ブラジル戦について)(ピッチの)中に僕は入っていないので分かりませんが、相当な強度とレベルだったと思います。いつでも出られる準備はしていたもののチャンスはもらえませんでしたが、その準備は大事。強豪の相手と戦うとなると、メンバー全員の力が必要になり総力戦です。(チームとして)本戦への可能性は見せられたと思います」
「メンバー争いという感覚は僕にはありません。目の前の試合に勝つこともそうですし、自分に与えられたチャンスの中で貢献すること。自分がいつチャンスをもらえても有効活用できる準備を常にしています」
そしてドイツのSCフライブルク、シャルケ04、ポルトガルのスポルティングCPなどヨーロッパの複数クラブから、今夏の移籍マーケットで“UEDA AYASE”が注目されていると現地で報じられている。
そこで将来のキャリアについて、どのように思い描いているのか。もしも話せれば……と質問を受けた。
すると23歳のストライカーは少し考えて、「うーん。それは話せないです」と答え、「今は代表の活動中ですし、ここに集中しています」と続けた。
ここは日本代表の活動の場で、しかも翌日には重要な試合を控えている。個人のキャリアに関する話をこのタイミングではすべきではないという立場を示して理解を求めた。
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