×

上田綺世、なぜゴール取り消しに?VAR介入も映像“曖昧”、それでも主審は一転ハンドのファウルに。鹿島vs名古屋1-1ドロー

鹿島の上田綺世。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

主審に示される“連続スロー再生”も、印象操作にあたりそうで課題に。

[J1 18節] 名古屋 1-1 鹿島/2022年6月26日18:00/豊田スタジアム

 J1リーグ18節、名古屋グランパス対鹿島アントラーズは1-1で引き分けた。この試合の20分、鹿島の日本代表FW上田綺世が中谷進之介との攻防に競り勝ちボレーでゴールを決めた。しかしVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入を経て、主審がOFR(オン・フィールド・レビュー)で確認し、上田のハンドのファウルでゴールを取り消した。

 GKクォン・スンテのフィードから仲間隼斗が空中戦で競り勝ったボールをアルトゥール・カイキが拾いロブパス。背後を突いた上田が中谷をブロックしながら、ボレーを地面に叩き付けてゴールネットを揺らした。

 しかし、ここでVARが介入。上田が胸トラップしたあと、左腕を伸ばしているが、そこにボールが当たったのではないかという映像が映し出される。

 そして主審がOFRでチェックしたあと、上田のハンドのファウルでゴールを取り消したのだ。

 後方のアングルから捉えていた、切り取ったシーンがスロー再生で繰り返し中継された。それを見せられると、確かに上田の腕にボールが触れているように“見えてくる”。

 が、冷静に見ると、上田はむしろボールに触れないようにバランスを取り、その手が何となくボールに“触れているように見えてくる”ことも分かる。つまり実際に当たっているかは定かでなく、そもそもボールの軌道も変わっていない。

 ハンドの判定は、主審の「主観」も影響してくるため、人によってファウルかそうではないかの基準も異なってくる。そこは踏まえておきたい。とはいえ「疑わしきは罰せず」で、主審やVARが明らかな確証を得ているかどうかは一つ目安になる。

 主審は当初ゴールを認めた。が、VARはこの映像をもとに、ハンドだと主張している印象も受ける。

 ただし腕に当たっているかどうかは明確には分からない。むしろ上田や中谷、GKランゲラックの反応を見ると、ノーハンドだったのでは? とも感じられる。

 結果、上田の今季11ゴールは幻となった。やや印象操作とも捉えられかねない“連続スロー再生”など、今回の件は国内でのVARの運用を含め、いくつかの問題点や課題をも提示していると言えそうだ。

【注目記事】
【J1 人件費ランキング】1位神戸、2位川崎、3位浦和…16位鳥栖が大健闘

【名古屋1-1鹿島】ヴァイラー監督「出合い頭の失点」。サッカーでは起こり得ると冷静に受け止める

【PHOTOギャラリー】黙祷、3ゴール、弾けた笑顔…鹿島、大宮に勝利を収め天皇杯ベスト16進出

Ads

Ads