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伊藤翔のゴール直後、町田浩樹が内田篤人から掛けられた言葉

鹿島の町田浩樹。(C)SAKANOWA

川崎の猛攻を耐え抜き、連戦へ突入。勢いを付けられるか――。

[ACL GS1節] 鹿島 – ジョホールDT/2019年3月5日/カシマサッカースタジアム

 3月1日の川崎フロンターレ対鹿島アントラーズ戦、鹿島が1点リードされて迎えた21分、後方からのフィードを受けた伊藤翔が同点ゴールを決める。

 伊藤を中心に歓喜の輪ができる一方、鹿島の自陣では――センターバックの町田浩樹のもとに、その同点ゴールをアシストした内田が来て、一言、二言、声を掛けて確認をし合っていた。

 町田はその時のことを次のように振り返る。

「点を取った後、『もう一度、締めよう』と。『前半はこのまま我慢して、1-1のままでも大丈夫』だと、改めて確認し合いました。大分戦は追い付いたあとに前掛かりになり、後ろが空いてしまったので、その時の戦い方から修正できました」

 この日の鹿島は「我慢」をテーマにしていたという。そういったことを踏まえ、最終ラインを中心に考え方を改めて共有できた。

 後半途中にも守備陣で集まり、「相手が選手交代をして、やり方やフォーメーションを代えてきたので、その対応について確認し合いました」。

 失点は中村憲剛の直接FKのみ。町田は犬飼智也とのセンターバックコンビで、川崎のあらゆる形からの仕掛けに最後まで崩されず守り切った。この90分間のなかで進化を遂げ、自信を深めた。

「スライドの距離感も悪くなかったと思います。真ん中でどっしり構えようとワンくん(犬飼)ともずっと話していました。クロスへの対応は問題なく、良い縦パスを出す選手が多いので、前へ早く出すぎないように(スペースを与えないように)と心掛けていました」

 とはいえ、十分に満足したわけではない。この勝点1を次に生かすには、次節の9日・湘南ベルマーレ戦(ホーム)で勝つしかない。今週は5日にACLの初戦、ジョホール・ダルル・タクジムFC(ホーム)との対戦も控える。勢いに乗るためにも、連勝したいところだ。とにかく試合勘を欲している町田の”連戦”での起用も多いにあり得る。

「(川崎戦は)もちろん勝点3をほしかったですが、全員で戦った結果、全員が集中を切らさず90分間戦い続けられました。次は継続して、しっかり勝点3を掴みたいです。(幻のゴールもあったが?)決め切らないといけませんね」

 鹿島ユース出身の21歳、190センチある左利きのセンターバック。鹿島の新たな柱になれるか――。チームにとって、町田自身にとって、大切な試合がさっそく続く。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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