C大阪ロティーナVS札幌ミシャの名将対決「勝利にこだわった」のは…
札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(左)とC大阪のロティーナ監督(右)。(C)SAKANOWA
拮抗した展開のなか、80分に決めたCKからの1点を守り切る。
[J1 7節] C大阪 0-1 札幌/2019年4月13日/ヤンマースタジアム
セレッソ大阪のロティーナ監督、北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(愛称ミシャ)――明確な哲学を持つ名将が率いる両チームの対戦は、コーナーキックからのDF進藤亮佑の今季初ゴールにより、アウェーチームに軍配が上がった。
シュート数(C大阪から見て)8本対10本、CK本数11本対6本という一進一退の攻防が繰り広げられた。そのなかで、チャンスを確実に仕留めた札幌が、リーグ戦の連敗を「3」でストップさせることに成功した。
試合後のフラッシュインタビューで、C大阪のロティーナ監督は次のように振り返った。
4バックを採用した理由は、「このシステムにすることで、より攻撃ができると決断しました。そこは狙い通りに上手くでたと思います」と札幌の3バックに対し、あえて4バックを採用した策が奏功したと語った。
勝敗を分けたのは、シュートが決まったか、決まらなかったか――。ロティーナ監督はそのわずかの差だと受け止めていた。
「拮抗した展開のなか、私たちも彼ら(札幌)も主導権を握る展開でした。多くのコーナーキックのチャンスを掴み、そのうちの1本を相手が決めて、ウチは決めることができませんでした。(敵陣の)深いところで攻める時間帯もあり、シュートも打てました。ただしゴールを奪うために攻めているわけですが、決め切ることだけができませんでした」
そのようにフィニッシュの精度不足を悔やんだ。
一方、札幌のペトロヴィッチ監督はあくまでも勝利にこだわったことを強調した。
「全員が『勝つ』という強い気持ちで臨みました。もちろん、もっと良い内容のゲームができたと思います。ただ、この試合は連敗を止めること、勝つことが一番重要で、全員で勝ち取った勝利になりました」
そのなかで、全員のハードワークがチームに還元できたことを称賛した。
「走る、闘う、規律を守るところが私たちの本来のベースであり、強さでもあります。ただ連勝のあとに3連敗を喫し、最近は欠けていた部分でした。それをみんなが今日は最後までやり切ってくれたからこその勝利でした」
そのように指揮官は、この1勝の価値を強調。チームも通算3勝4敗と、勝率5割復帰に一つ近づいた。
一方、ホームのC大阪は2勝1分4敗に。ホームでの勝率5割復帰のチャンスを生かせなかった。それでも指揮官は試合内容には確かな”積み上げ”があったと感じ取っていた。
文:サカノワ編集グループ