広島の城福監督が『ターンオーバー批判』に言及。「その競争が生命線」
城福浩監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
実質中1日で抜擢の森島司が圧巻の活躍、荒木隼人も健闘。
[J1 13節] 浦和 0-4 広島/2019年5月26日/埼玉スタジアム2〇〇2
サンフレッチェ広島の森島司がアジアチャンピオンズリーグ(ACL)のメルボルン・ビクトリー戦(〇3-1)のオーストラリア遠征から中3日で26日の浦和レッズ戦に先発し、1得点1アシスト、さらにハイネルの3点目につながるスルーパスも放つ圧巻の活躍を見せた。
森島とともに荒木隼人の健闘も光った。メルボルンからの帰国、それに広島から浦和への移動で、実質的に”中1日”でこの一戦に先発フル出場し、快勝をもたらした。
広島の城福浩監督は試合後の記者会見で、「ACLとリーグ戦で多くのメンバーを代えて臨むことに、我々はずっとフォーカスされてきたが」と、どこからともなく耳に入ってきた『ターンオーバー批判』に言及。しかし、そこで生まれるポジションを巡る競争こそが「このチームの生命線」だと強調した。
「ACLとリーグ戦で多くのメンバーを代えて臨んできましたが、我々はそこにずっとフォーカスされてきました。ただ、ACLで頑張った選手が必ずリーグ戦に必ず割り込んでくると信じてやってきました」
そのうえで森島が今回見せた活躍の意義を強調した。
「今日の彼(森島)の活躍はACLを戦ってきたメンバーに、多くの刺激を与えたと思います。その競争こそがチームの生命線。シーズン終盤に向けて強固なチームを作るため、彼の活躍は一つのトリガーになると思っています」
首位を独走しながらの昨季終盤の失速。なぜ起きたのかを指揮官は自問自答し、今季、成長や進化を促すチーム作りにあくまで軸足を置き、「我慢」と「大胆」その両方の采配を使い分けてきた。
最近のリーグ5連敗について、「対浦和という以上に、『なぜ直前の5試合の内容で勝点ゼロだったのか』に私はずっと思考を集中してきた」という。
「その克服が浦和対策になり、この先のスタイルにつながると考えました。ただ『ペナルティエリアの手前までは行くんだけども』というエクスキューズはなしにしました。エリアの中にいかにオン・ザ・ボールとオフ・ザ・ボールで、人数をかけて、リスクを冒して入っていくか。もちろん浦和の2トップの強力さやウイングバックの特長などいろんなものを頭に入れて臨みましたが、今日の最大のテーマは浦和対策ではなかった」
6勝2分5敗(16得点・9失点)と白星先行に戻した。ここで踏ん張り、もう一度上昇気流に乗れるか。
広島にとって次節、再びアウェーで迎える北海道コンサドーレ札幌戦(6月1日14:00)は、夏の反抗への大切な一戦になる。
文:サカノワ編集グループ