【磐田】辞任決断の名波浩監督が下した自己評価「勝たせる監督ではなかった」

辞任した磐田の名波浩前監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

「チームマネジメントやコミュニケーションは悪くなかったと思うが――」

 ジュビロ磐田の名波浩前監督が6月30日の17節・川崎フロンターレ戦を1-3で落としたあと、辞任を表明した。最下位に沈むなか、クラブはこの決断を了承。7月1日に鈴木秀人コーチの監督昇格が発表された。

 名波前監督の試合後の記者会見の全文が、クラブ公式ホームページに掲載されている。そのなかで名波氏はどのように選手たちに辞任の意向を伝えたのか、次のように答えている。

「一言一句は覚えていないのですが、これからも前向きにやっていこうと。それから、僕を慕って入ってくれたり、慕って戻ってくれた選手がいて、このクラブを2012年、2013年のようなボロボロ、バラバラなクラブから立ち直らせようという、そういう同志がどんどん集まってくれたので、そういう思いに対して、これからもそれを思い続けてほしいし、より良いクラブ、より強いクラブにできなかった申し訳なさがあるよということを伝えました」

 また、初めて監督を務めた2014年からの5シーズン半を、次のように自己評価している。

「チームマネジメントは非常に自分自身も自信を持っていますし、コミュニケーションというところでも、他の監督と比べると、自分が見学をさせていただいたとか、現役の時の監督とか、代表チームの監督とか、比較対象がそれくらいしかないとしても、そのあたりは悪くなかったのでないか、良かったと自分では思っています。

 ただ、昨年末に服部強化本部長や当時の木村社長にも言いましたけど、勝たせる監督ではなかったなと。そこが自分の今後の課題だなと思っています」

 人心掌握に長け、チームを一つに向かわせてきた。中村俊輔、川又堅碁、高橋祥平、ムサエフらが加わった2016シーズンにはJ1で16勝10分8敗の6位に入り、名門復活への予感を漂わせた。

 しかし、主力選手のケガによる長期離脱などの影響もあったとはいえ、そこから下降線を辿ってしまった。「勝たせる監督」になるためには、一体、何が必要なのか。それを一旦ピッチから離れて、探っていくことになる。

 また磐田への思いについて、「在籍年数の長さもさることながら、自分をサッカー人として育ててくれたのはこのクラブ。自分が愛するクラブとして、強くしたい、良くしたいということを常に念頭に置きながら最前線で戦ってきた」と語っていた。そのコミュニケーション力やコネクションも確かにサッカー界にとっても”武器”であり、それを生かすため、磐田から別のポスト(フロントなど)で必要とされた場合、果たしてどのような決断を下すのか。

 突然の決断ではあった。ただ、クラブが解任のカードを切ることは考えにくい、という状況を察知しての「辞任」だったこともうかがえる。

 磐田は17節を終えて、3勝5分9敗の勝点14、12得点・21失点で18位。鈴木新監督のもと、7月3日の天皇杯ホンダロック戦で初陣を迎え、そして7月6日の18節、アウェーで鹿島アントラーズと対戦する。

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文:サカノワ編集グループ

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