またもFC東京入りならず。ロッベンが現役引退を表明、久保建英の抜けた右MFに申し分ないピースだったが…
バイエルン時代のアリエン・ロッベン。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
Jリーグからの関心を認め、「中東や中国には行かない」と発言し、少し期待も高まるなか――。
2018-2019シーズン限りでバイエルン・ミュンヘンを退団していた元オランダ代表FWアリエン・ロッベン(35歳)が7月4日、現役を引退すると発表した。オランダの各紙が伝え、間もなくドイツ専門誌『キッカー』も報道した。
「間違いなく人生で一番難しい決断でした。心と心が衝突し合って辿り着きました」というロッベンは、次のように続けた。
「皆さんがご存じのように、私はバイエルン・ミュンヘンでの最後の試合のあと、将来について決断を下すため時間を費やしてきました。そして、私はプロフットボール選手としてのキャリアを終える決断を下しました」
そして『傷を負うことなど知らなかった16歳の時とは違う』と、晩年に負傷に苦しんできたことが引退の要因であることを示唆している。
「ゲームに対する愛と信念は持ち続けていますが、あらゆる世界ですべてが叶うと信じていた、ケガを負うことの意味など知らなかった16歳の少年の時とは、むしろ対照的な立場にいます」
ただし、ロッベンはあくまでも「元気」で「健康」であるとも強調する。
「現在私はとても健康で元気です。その活力を新たなスポーツの領域で生かしていきたいと思います。その決断はいっさい変わりません」
現役を退くことに、後ろ髪を引かれているようではある。破壊的な左利きのドリブラーは、バイエルン7連覇の偉業達成、さらに最終戦でのゴールと自らのキャリアに花を添えて、スパイクを脱ぐことを決めた。
春先には移籍候補の一つに、FC東京が挙がった。
ロッベンのポジションは、レアル・マドリーに移籍した久保建英がプレーしてきた右サイド。実際、久保退団を想定して、ロッベン獲得に動いていた可能性もあった。
まさに適材適所であり、これまでFC東京はビッグネームの移籍先候補として何度も浮上してきが、今回こそは――と密かに期待していたファンも少なからずいたはずだ。
ロッベン自身もバイエルン退団後、母国オランダ、ドイツ、アメリカ、さらにJリーグからも話が来ていると明かし、「中東や中国には行かない」と、日本行きに含みを持たせた発言もしていた。しかし……またもビッグディールはならなかった。
結果的に日本との接点は限られたが、アジアでも多くのファンを獲得してきた偉大なるロッベンの第2のサッカー人生を見守りたい。
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[文:サカノワ編集グループ]