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「ベルナベウからクボの魔法を奪うのか?」スペインでレアル久保建英を巡る議論が活発に

2か月前はFC東京でプレーしていた。そろそろレアル・マドリーでの久保建英の笑顔も見せてもらいたい。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

ジダン監督のカスティージャで「ゆっくり育てる」発言を受けて。

[PSM] RBザルツブルク – レアル・マドリード/2019年8月7日(日本時間8月8日)/レッドブル・アレーナ(オーストリア)

 ドイツ・ミュンヘンで行われた「アウディカップ」を終えて、18歳の久保建英の今後の起用法と育成について、スペインのメディアでさまざまな意見が出て議論されている。総じて言えるのは、久保が前評判以上のパフォーマンスを見せ、チームにも相乗効果をもたらしている。過去の若手選手たちの前例にとらわれず柔軟性をもってトップでも起用していくべきではないか――といったものが多い。「トップ起用を」とは明言しなくても、久保の育て方がクラブにとっても重要なテーマだ、と問いを投げかけるメディアも目立つ。

 そのなかで『アス』のトーマス・ロンセロ記者は、ジダン監督が久保をカスティージャをメインに起用していく方針を示したことを受けて熱い記事を投稿している。

「ラ・マシア(バルセロナ)の採掘場の原石だった時に付けられたニックネーム『日本のメッシ』という評価が、正当であったことを証明しようとしている」

 そのように久保のこれまでのパフォーマンスを評価するとともに、ジダン監督が「アウディカップ」のフェネルバフチェSK戦(〇5-3)のあと「他の若手選手たちと同じようにカスティーリャで一緒にプレーさせ、トップチームでもトレーニングすると言っていたことを、私は理解できません」と指摘する。

 そして、「その保守主義は不合理です。もしもバルダーノがそのような考え方であったら、ラウールはクラブの歴史の一つの象徴にはなっていなかったでしょう」と、1994年にレアルのユースチームにいたラウール・ゴンザレスを17歳4か月のチーム歴代最年少でトップチームに抜擢した、当時監督だったホルヘ・バルダーノの”決断”を引き合いに出している。

 また、世界的にも若き天才が早期にデビューを果たして突き抜けていった例を出し、ジダン監督にもそのような大胆さを期待する。さらには、ファンの声にも耳を傾けてほしいし、今、何に飢えているかも感じ取ってほしい、と。

「私はあの大胆なジダンが見たい。フットボールへの愛情に溢れて、常に笑顔を見せ、そして重要な決断をくだしてきた」

 さらには、「(久保を)カスティージャに送ることは決して保護にはなりません、彼の成長を阻害することにもなりかねません」と訴える。そのうえで記者は「ジズー、あなたの誇りを優先して守ることによって、ベルナベウからクボの魔法を奪ってしまうのですか」と疑問を投げかけている。

 チームはちょうど過渡期を迎えている。だからこそ久保、ロドリゴ、ヴィニシウス・ジュニオールらを思い切って抜擢していくべきではないかと提案する。なかでも久保は「宝石」であると。

 いずれにせよ、長年に渡ってレアル・マドリードを見守ってきた記者にとっても、18歳の久保が異才を放っていることが伝わってくる。育成や起用について、いろいろな選択肢と可能性があるが、確かに刺激を受けて進化を遂げる今「ゆっくり」と育てようとするのはブレーキを踏む行為になりかねない。

 一方、もちろん焦りは禁物で、長い目で見守ることも大切かもしれない(ジダン監督もそのことを言いたかったように感じる)。そのあたりがまた難しいところではある。久保が活躍することによって起きた議論。果たしてジダン監督とクラブはどのように考え、どのような「道」を準備するのか――。

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Topics:Discussion about Takefusa KUBO of Real MADRID.

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