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【浦和】サイドに偏らず中央からも。「バランス改善」から反撃につなげる

浦和の鈴木大輔。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

鈴木大輔「前半の終わりから、真ん中でつなぎながらサイドも使えた」。

[J1 21節] 浦和 2-2 名古屋/2019年8月4日/埼玉スタジアム2〇〇2

 浦和レッズのDF鈴木大輔が8月4日の名古屋グランパス戦、6月30日の大分トリニータ戦(●0-2)以来リーグ5試合ぶりに先発し、3-4-2-1のリベロとしてフル出場を果たした。

「こうした気候でもあり連戦で、相手に先に点を取られると苦しい展開になるなとは思っていました。そのなかでの立ち上がりの失点は痛かったです」

 そのように開始2分に和泉竜司に決められて失点を喫し、そこから相手を勢いづかせてしまったことを悔やんだ。結果的に25分にも追加点を奪われ、さらに失点につながりかねないピンチが続いた。

「名古屋が3枚気味で前掛かってきたので、僕らもボランチを下げて、自分とボランチがセンター(バック)2枚になるような形にして試合を運び、そこでできた間を使っていこうとしました」

 そのような”変形型4バック”でしのぎながら、攻撃面(ビルドアップ)でのバランスにも気を遣ったという。

「ただ、簡単にサイドに偏らないように。真ん中で(パスを)つなぎながら、サイドも使っていくという意識を持っていました。それが前半の途中からはっきりできてきて、後半は上手くいきました。槙野くんが上手く相手を引き付けたところに、青木が入ったり。(柴戸)海が中間ポジションをとり、そこから前に運んで、裏へボールを入れたり」

 確かに前半アディショナルタイムに興梠慎三のゴールで1点差にすると、逆に後半は浦和が試合の主導権を握りながら進めていった。

 これまで浦和は、サイドを生かす、という意識が強いあまり、中央のスペースを効果的に活用できないという課題を抱えてきた。最近は長澤和輝やエヴェルトンが中央のスペースでメリハリを与えるプレーをよく見せていたが、彼らがベンチスタートとなったこの日、そのように鈴木、柴戸、青木のセンターラインを中心にチーム全体で状況を把握しながら劣勢を覆し、主導権を手繰り寄せることに成功したのは収穫に挙げられる。

 もちろん試合は2-2の引き分けに終わっている。スクランブル体制など攻撃に比重を置いた時、畳み掛けた時以外、いかにゴール前の人数を増やすか、など課題はある。そのあたりはこの日同点弾を決めた関根貴大の復帰で、攻撃のバリエーションが増えていく可能性が感じられる。なかなか手がつけられずにいた”バランスの悪さ”が、ここに来て改善されつつあるようだ。

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[文:サカノワ編集グループ]

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