大分の藤本憲明が神戸に完全移籍「眠れなくなるほど悩んだ」。指揮官、社長も異例のコメント発表
大分から神戸への移籍が決定した藤本憲明。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
片野坂監督「藤本の固い決意を尊重した」。
大分トリニータの藤本憲明が8月7日、ヴィッセル神戸に完全移籍することが決定した。両クラブが同日発表した。神戸での背番号は「9」。
藤本憲明(ふじもと・のりあき)は1989年8月19日生まれの29歳)。175センチ、69キロ。これまでのキャリアは、ガンバ大阪堺ジュニア―ガンバ大阪堺Jrユース―青森山田高―近畿大―佐川印刷SC―佐川印刷京都SC―SP京都FC―鹿児島ユナイテッドFC―大分。
今季の成績は、J1リーグ21試合8得点、ルヴァンカップ1試合0得点。これまでの通算成績は、J1リーグ21試合8得点、J2リーグ26試合12得点、J3リーグ57試合39得点。
藤本は次のように大分の広報部を通じてコメントしている。
「いつも応援してくれている皆さん、この度ヴィッセル神戸に移籍することを決断しました。
眠れなくなるほど悩みました。ここまで僕を成長させてくれた仲間、スタッフ、いつもどんな時でも応援してくれたサポーターの皆さん、感謝しかありません。
シーズン途中で去ることになり本当に申し訳ありません。必ずトリニータは J1 残留できると信じていますし、僕も成長してきます。
永遠に僕は『LOVE TRINITA』です。
あっという間の1年半でしたがかけがえのない濃い1年半でした。
またスタジアムで会いましょう。本当にありがとうございました。
勇者であれ LOVE TRINITA」
一方、神戸のサポーターに向けて、次のように呼び掛けている。
「はじめまして、大分トリニータから移籍しました藤本憲明です。
得点やアシストでチームに貢献したいと思います。
ファン、サポーターのみなさんに一日でも早く認めてもらえるように頑張りますのでよろしくお願いします」
また、大分の片野坂知宏監督は次のようにコメントを発表している。
「大分トリニータのファン、サポーター、スポンサー関係者の皆様へ
いつも大分トリニータへのご支援、ご声援ありがとうございます。
この度、藤本がヴィッセル神戸へ移籍することになりました。
チームに加入してJ1昇格の原動力となり、J1 でもこれまでチームに多大な貢献をしてくれておりました。チームとしても非常に痛い戦力を失います。そのことは重々承知しており、もちろん慰留を望み話し合いもしました。
しかし 藤本の固い決意があり、その意思を尊重し苦渋の決断ですが移籍となりました。
非常に残念ですが藤本には、これまでのトリニータへの貢献に感謝し、私としても決断を尊重し送り出したいと思います。
我々トリニータは一人の力に頼るサッカーではなくピッチに出ている11人が結束し最大値を出してこれまで成果をあげております。今後はチームの結束力を高め、目標である J1 残留を達成できるように勇猛果敢にチャレンジして行きたいと思います。
どうかこれからも引き続き大分トリニー タへのご支援、ご声援、どうかよろしくお願い致します」
また、大分の榎徹社長も次のように語っている。
「大分トリニータのファン・サポーターの皆様、いつも応援ありがとうございます。このたび藤本選手が神戸に移籍することとなりました。大分で素晴らしい実績を残し、主力としてチームに貢献している選手の移籍は非常に残念です。
しかしながら、このような場合には、選手の意思を尊重するのが第一だと考えています。その結果をクラブとしてはしっかりと受け止めていく所存であり、藤本選手の活躍を期待しています。 われわれは、これまでもピッチにいる選手、ベンチにいる選手、メンバーに入れなかった選手、監督をはじめとするスタッフ、クラブ、そして、ファン・サポーターの皆様と一緒になって戦ってきました。
これからも、その姿勢は変わりません。引き続き、大分トリニータへのご支援・ご声援をお願いいたします」
大分のエースであり、リーグ通算9位タイ、チーム最多8得点を決めているスコアラーの移籍。大分にとっては痛恨だ。なりふり構わぬ補強を進める神戸で、果たしてこの勢いをしっかり維持し、チームに貢献できるか――。藤本の新たな挑戦が始まる!
[文:サカノワ編集グループ]