【C大阪×鳥栖】B・メンデスがPK2本「誤審」で見逃される
C大阪のブルーノ・メンデス (C)SAKANOWA
JリーグジャッジリプレイでJFA審判部のレイモンド・オリバー副委員長が詳しく解説。
[J1 22節] C大阪 1-2 鳥栖/2019年8月11日/ヤンマースタジアム長居
セレッソ大阪のブルーノ・メンデスが持ち前の突破力を生かしてゴール前へ抜け出した61分と86分、いずれもサガン鳥栖のDF、GKからチャージを受けて転倒したようだが、木村博之主審はいずれも”ノーファウル”と判定して、試合をそのまま続行させた。このシーンが『DAZN』のコンテンツ「Jリーグジャッジリプレイ」で取り上げられ、果たしてPKであったのかどうか、日本サッカー協会(JFA)審判委員会のレイモンド・オリバー副委員長が見解を示すとともに詳しく解説をした。
いずれもVTRで確認すると、ファウルのようではある。まず61分の場面では、ペナルティエリア内でブルーノ・メンデスが左に切り返した際にパク・ジョンスの足がかかっていたようだった。
オリバー氏は「これはPKですね」として、次のように解説した。
「映像で見る限り、明らかに鳥栖の15番の選手(パク・ジョンス)の足がかかっているのが見えます。
主審はDFがボールにしっかりプレーしたと思ったはずです。ただ15番の選手の右足を見ると、明らかに(ブルーノ・メンデスの)足を払ってしまっています。これは確実にPKでしょう。
ただ、ドグソ(条件が揃った「決定機」の阻止)にあたるかどうかで言うと、ブルーノ・メンデス選手がボールをコントロールしきれていたかは難しいです。なのでファウルでPKを与えるという判定(パク・ジョンスへのイエローカードの必要はなし)が、妥当だったのではないかと思います」
また86分のシーンでは、ブルーノ・メンデスが1対1になってかわそうとした際、GK高丘陽平の手がブルーノ・メンデスの足の甲をブロックしているように見える。
オリバー氏は「これはPKでありドグソです」として、次のように解説した。
「ブルーノ・メンデス選手はボールをコントロールできる状況にもありました。
ただ、主審から見ると、とても難しい判断だったと思います。違う角度から見ると、主審とボールの間に二人の選手がいて、視覚をさえぎっています。
しかもボールの方向が変わっていて、GKがしっかり触ったことでボールが逸れたと思ったのでしょう。
あとは選手(ブルーノ・メンデス)の倒れ方です。ちょっと疑わしいと思わせてしまったかもしれません。
ただし映像を見ると、明らかにPKです。また、この反則がなければ、あとはシュートをゴールに押し込むだけだったので、ドグソ(高丘には本来レッドカードだが、ここではイエローカード)だったと言えます」
いずれも一瞬で判断するのは難しく、VTRをチェックすることで確認できたシーンではあった。ただ、ブルーノ・メンデスが2本のPKを見逃された、と言える結果になってしまった。
クラブ公式サイトによると、C大阪のロティーナ監督は試合後、「今日は審判のエラーが決定的でした。結果につながるエラーを犯したと思っています。こういうことはあまり言いたくないし、申し訳なく思いますが、今日の出来事を理解するのは難しいです」と語っていたという。
C大阪としては、上位進出に向けた重要な勝点を逃す形になってしまった……。9勝4分9敗の8位、勝率5割で、8月17日の24節はアウェーで横浜F・マリノスと対戦する(今日は天皇杯3回戦、 維新みらいふスタジアムでレノファ山口戦)。
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[文:サカノワ編集グループ]