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ジダンの願い届かずレアル久保建英はマジョルカ移籍決断

レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督。(C)Audi Cup 2019

”親心”のある指揮官はヴィニシウスと同じ戦略を考えていたようだが。

[スペイン1部 2節] R・マドリード – バリャドリード/2019年8月24日/サンティアゴ・ベルナベウ

 スペイン1部リーグ・レアル・マドリードの久保建英が、同リーグのRCDマジョルカに期限付き移籍することで合意したと、同国TV『El Chiringuito TV』が8月21日に大々的に報じた。これまで噂のあったレアル・バリャドリードをはじめオファーのあった「他クラブにすべて断りを入れた」と伝えている。

 ただし同日中に、クラブからの公式の発表はなかった。

 これまだレアル・マドリードのクラブ内でも18歳の久保の育成と強化について、意見が分かれていたという。一つが昨季のヴィニシウス・ジュニオールのように、トップチームの練習に加わりながら実質3部リーグ(セグンダB)のカスティージャで試合経験を積み、トップのカップ戦などで起用していくというプランだ。一方、久保のレベルはもはや3部の域を大きく超えており、他クラブで実戦経験を積ませるほうが望ましいのではないかという声もあった。

 いずれも一長一短はある。前者はいつトップチームのチャンスが訪れるのか保障がない。昨季もトップチームの低迷と負傷者などいくつかの条件が重なり、やや偶発的なチャンスをヴィニシウスが掴んだと言えた。しかも結局今季は再びサブからのスタートである。

 そして後者は一旦、レアル・マドリードから離れることで、いちからのスタートとなる。久保の場合は年齢的にも若く他の選手とは状況が異なるが、多くの場合はレンタルに出たあと、再びレアル・マドリードに戻り主力の座を掴んだというケースは限られる。

 トップチームのジネディーヌ・ジダン監督は、基本的には前者のヴィニシウスと同じ戦略を考えていたという。

 実際、指揮官はリーガ開幕のセルタ・デ・ビーゴ戦に向けた記者会見でプレシーズンを振り返る際、久保について次のように語っていた。ちょうどバリャドリードへのレンタル移籍の噂が出ていた時である。

「彼はレアル・マドリードの選手です。彼は未来です。(移籍マーケットが開いている間は)すべてが起こりうることではありますが、彼がカスティージャとともに戦ってくれることを願っています。それが未来です」

 ガレス・ベイルやハメス・ロドリゲスに関してはややはぐらかす感じで語ることも多かったジダン監督だが、久保にはそのように「クラブの未来」であると何度も強調してきた。

 もちろん一方、決してレンタル移籍に否定的であるわけでもない。”親心”もある指揮官は手元で見守り育てたいと考えているが、どのような選択をすることが「正解」なのかは誰にも分からず、最終的には久保に委ねられる。

 今回はスペインの主要メディアもほぼ決定的といったニュアンスで報じている。

 マジョルカは昨季2部5位からプレーオフを勝ち上がり、7年ぶりの1部リーグ復帰を果たしている。過去には2004年11月から2006年夏まで大久保嘉人(1部リーグ通算39試合5ゴール/現・ジュビロ磐田)、また2011年から2012年と2013年に家長昭博(1部通算18試合2得点、2部通算7試合0得点/現・川崎フロンターレ)がプレーしていた。

 8月22日に何かしらの動きがあるか――。

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[文:サカノワ編集グループ]

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