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レアル久保の交渉舞台裏「出産のようだった」マジョルカCEOが打ち明ける

久保建英のマジョルカへの期限付き移籍が決定。左がモランゴCEO。(C)RCD_Mallorca

FC東京時代の3月から追いかけていた――。

 RCDマジョルカのマヘタ・モランゴCEOが8月27日付けのスペイン紙『マルカ』で、久保建英のレアル・マドリーからの期限付き移籍を実現させるまでの舞台裏を明かしている。同クラブ内でのプレゼンテーションで説明があったという。

 記事でまずモランゴCEOは、「久保とのサイン(契約)は長い間時間をかけて育ててきた、出産のようなものでした」と独特の表現で振り返っている。大きな期待を抱くと同時に、自分にはどうすることもできないシュエ―ションで、逡巡したり思い悩んだり、何も手につかなくなったり……そうしたなかでしっかりと進捗していた。そういったニュアンスが伝わってくる。

 まず、マジョルカのカンテラのリーダーが、久保のバルセロナ時代のコーチを務めていた。そして久保の状況など情報を集め、FC東京でプレーしていた今年3月から動向を調査してきたという。つまり獲得を狙っていたのだ。

 そしてレアル・マドリードへの加入が決定し、18歳の日本代表MFはいきなりアメリカとドイツのツアーで活躍。そうした状況下でも、「忍耐強くレアル・マドリードと連絡を取り合ってきました」という。そこから久保サイドがトップチームでの出場を求めることになり、マジョルカが改めて手を挙げた。そして再び粘り強い交渉を続け、今回の契約に結び付けた。

 モランゴCEOはレアル・マドリードとの関係性が「素晴らしいものです」として、久保に関するビジョンを共有できていると強調する。

 一方、ここからは久保がチャンスを自らの力で掴まなければいけないとも言う。

「久保は18歳ではないようだ。彼はプレッシャーを不安に感じていないという。プレッシャーを避けるのではなく、むしろプレッシャーを求めていると言っていた。とても明晰です。あとは、ここでポジションを掴めるかどうかは彼自身に掛かってきます」

 マジョルカは今週末の9月1日、昨季リーグ4位の強豪バレンシアCFとアウェーで対戦する。前節のレアル・ソシエダ戦(●0-1)はメンバー外だった久保は、果たしてスペインリーグデビュー――出場機会を得ることができるだろうか。

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[文:サカノワ編集グループ]

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