内田篤人が絶賛していたラウルの人間性。久保建英とのコラボは楽しみだった

久保建英(左)と内田篤人(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

シャルケ時代の2010-11シーズン、DFBカップを制覇。

 レアル・マドリードのBチームにあたるカスティージャを今季から率いる元スペイン代表FWのラウル・ゴンザレス監督は、2010年6月から2シーズン、ドイツブンデスリーガ1部のシャルケ07でプレーしていた。

 ちょうど同じタイミングでシャルケに加入したのが内田篤人(現・鹿島アントラーズ)だった。

 2010-11シーズンの開幕直後、内田はラウルのことを次のように評していた。

「本当にとても、良いヤツ。まさにジェントルマン。とても性格が良いから、みんなに信頼されている。だから、自然と彼のところに、ボールが集まってくるんだろうね」

 まったくシミュレーション(人をあざむくプレー)をしたことがなく、フェアプレーを貫いて数々のゴールを決めてきたことで知られる。ただ孤高の天才的ストライカーなイメージを勝手に抱いていただけに、その内田の話に少し驚いたのを覚えている。

 実際、ラウルはブンデスリーガでも、2010-11シーズンは34試合13ゴール、2011-12シーズンは32試合15ゴールと、二けた得点を記録。シャルケ所属の1年目、DFBカップ(ドイツカップ)制覇を果たし、クラブ史上初のUEFA欧州チャンピオンズリーグでのベスト4進出にも貢献した。

プロキャリアでの1部リーグ通算は683試合275ゴール(そのうちレアル・マドリード時代は通算16シーズンで550試合228ゴール、レアル公式戦通算は741試合323得点!)。スペイン代表では101試合44得点を決めてきた。彼はゴールを決めるたび、支えてくれたチームメイト、そして家族への感謝を忘れなかった。

 MLSのニューヨーク・コスモスでプレーした2015年を最後に、現役引退を決断。それから4年が経った。

 そしてレアルのカンテラ出身であるラウルがカスティージャの指揮官に就任した1年目、18歳の久保建英がやって来た。すぐ思い出したのは、内田の言葉だった。

 ラウル”新監督”のもと、久保がどのように進化を遂げていくのか? 二人のコラボレーションによって、どんな相乗効果が生まれるのか。それは興味深くもあった。

 一方、実質3部リーグのカスティージャの試合を見ていると、確かに、FC東京の中心選手として首位に導く活躍ぶりを見せていた久保が、このレベルでプレーしていく物足りなさととともに、ピッチ内外で様々な「チャレンジ」をしていくべき局面で無理をしなくなるなどのリスクも感じられた。

 それだけにプレシーズンの3試合を見守ったラウル監督は、久保がRCDマジョルカへの期限付き移籍を決断したことに理解を示した。

「クボのマジョルカでの多幸を願っています。ここ(カスティージャ)で彼と一緒にできたことはとても嬉しかったけれど、彼はファーストチームの選手でした」

 何よりまず久保の成功を信じた、彼を尊重したコメントだ。

 二人がこのあと、どのような形で「再会」するのかは楽しみだ。いつの日か、トップチームでともに戦う日も来るか。ラウルが監督ではなくても、ジネディーヌ・ジダン監督、ラウルコーチ、そのもとで久保がプレーする――のも見てみたい絵だ。

 そして内田とラウルも。何かにひき付けられるようにドイツで出会い頂点を極めた二人は、またどこかで巡り合うのではないだろうか。

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[文:塚越 始]

Posted by 塚越始

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