【浦和】興梠慎三が実感した上昇への”必須条件”「慌てないこと」
浦和の興梠慎三。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
上海上港戦、ACLベスト4に導く圧巻のジャンプヘッド!
[ACL 準々決勝-2nd] 上海上港 1-1 浦和/2019年9月17日/埼玉スタジアム2〇〇2
※2試合トータル3-3、浦和がアウェーゴールルールでベスト4進出
アジアチャンピオンズリーグ( ACL )準々決勝・第2戦(セカンドレグ)の浦和レッズ対上海上港戦、浦和のFW興梠慎三が圧巻のジャンプヘッドで値千金の先制ゴールを奪うとともにフル出場を果たし、この試合1-1、2試合トータル3-3としてアウェーゴール数で上回り、優勝した2017年以来となるACLベスト4にチームを導いた。
興梠は試合後、憑き物が落ちたような穏やかな表情を久々に浮かべて語った。
「不甲斐ない試合を続けてきて、自分たちもなぜこんなに勝てないのかと歯痒い気持ちをしていて、でも、それ以上にサポーターの皆さんに歯痒い思いをさせてしまってきました。ただ、ここで今までやってきたことを冷静に考えてやり続けることも大切で、変なことをしてしまうのは逆効果。やってきたことを続けることが大切なのかなと改めて思いもしました」
上海上港とのホームでの第2戦は「(元ブラジル代表エース)フッキがいないと結構楽だったかなと。ただ代わって出た中国の選手はプレスが厳しく、後ろでフリーで回すことがなかなかできなかった。ただ、一発がないので、少なからず余裕を持って試合はできたと思います」
2年ぶりとなるアジア4強進出。埼玉スタジアムを埋めた2万8000人を超えるサポーターと一体となって”切符”を手にしたことで、興梠は浦和上昇への必須条件と言うべきか、キッカケを感じ取っていた。
「(Jリーグにつなぐために大切なのは)慌てないこと、かな。チャンスはできてきているので、パスだったり、そういうところでね。いい崩しはできているのにセンタリングが上手くいかないとか、シュートもそう。今回、最後は1-1でも勝ち上がれる状況で、冷静に戦うことができたと思います」
エースが両足に痛みを抱えているというのは一抹の不安ではある。ただACLでの日本人歴代最多25ゴール目を決めた(自身の持つ記録を更新)興梠は、一仕事を終えた職人のように安堵の笑みをたたえていた。
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[取材・文:塚越始]