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ゼルビアどうなる!?「FC町田トウキョウ」名称変更の正式発表は保留に

FC町田ゼルビアのサポーター。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

経営権取得時の条件が「東京」を名称に入れることだった。ただしファンに相談しなかったことを藤田社長が謝罪。

 FC町田ゼルビアのサポーターミーティングが10月11日に行われ、クラブのオーナーを務めるサイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏がチーム名を来季から「FC町田トウキョウ」に変更することについて報告と説明を行い、参加者との質疑に応じた。

 新クラブ名、エンブレム(ロゴ)、マスコットについて、すでにJリーグへの申請手続きを済ませているが、このミーティングのあとに正式発表される予定だったクラブ名変更のプレスリリース配信は「一旦、保留」されることになった。

 サイバーエージェントはすでに10億円以上を出資し、トレーニング施設の整備を実施。また、町田市立陸上競技場を1万5000人以上の動員可能にする改修工事も行うことで、町田にとって念願であった来季のJ1クラブライセンスの取得を果たした。

 一方、昨季の観客動員数はJ1とJ2の全クラブの中で下から4番目、さらに選手などにかける人件費が下から2番目と、経営基盤は脆弱である。そうした運営の基盤をより固くするためにも、「ファン=入場者数」を増やすことが何よりも課題となっていた。

 市民クラブから国際的なステージを目指すクラブへのリブランディングのため、藤田社長はクラブ名などの刷新が必要だと説明した。また、経営権を取得する際、クラブ名に「東京」を入れることが条件になっていたことも説明した。

 質疑応答の中では涙ながらに「すべての小遣いを投じ、ゼルビアに人生を懸けてきた。なぜ、サポーターの声を聞こうとしなかったのですか」といった意見も出た。一方、参加者の中でもホームゲームの観客数の少なさを実感してきただけに、思い切った策の必要性を感じてきた、という声もあった。

 今回のミーティングで、ハレーション(反発)が起きることは少なからず予想された。ただ、会の最後、拍手で参加者の意見を確認。チーム名変更に、賛成、反対、ほぼ半々といえる拍手が起きた。

 そして最後、藤田社長は改めて、同日のクラブ名変更の正式発表に絶対に反対だという人に挙手を求め、その反応を見て「難しいですね。当然、全員の賛同を得るのは難しいことですが、一旦、保留します」と語り、”決定”が見送られた。

 雨の日も、風の日も、日本全国どこまでFC町田ゼルビアを追いかけ、とともに戦ってきたサポーター。一方、J1ライセンスを取得し、今後はマーケット拡大がテーマとなるクラブの運営。果たして、妥協点を見出すことはできるだろうか。

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[文:サカノワ編集グループ]

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