110試合の初ゴール。熊谷紗希が「なでしこ七不思議」の一つを解決!

熊谷紗希が110試合目にして、日本女子代表初ゴール!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

南アフリカに完封勝利、12月にはE-1東アジア選手権。

[MS&ADカップ] 日本女子代表(なでしこジャパン) 2-0 南アフリカ代表/2019年11月10日/ミクニワールドスタジアム北九州 

 なでしこジャパン(日本女子代表)が、親善試合「MS&ADカップ」で南アフリカ女子代表に2-0の勝利を収めた。先制点を奪ったのはキャプテンの熊谷紗季(オリンピック・リヨン)。実に国際Aマッチ110試合目の初ゴールだった。

 高さと強さを兼ね備えることからセットプレー時には攻撃に加わっている。守備で見せるようにヘディングも強い。しかし、それでも、これまでなぜかノーゴール。『なでしこ七不思議』の一つとも言えた熊谷のノーゴール記録が、東京五輪のプレイヤーについに「ストップ」した。

 どこまでその”記録”が伸びるのか。いつゴールを決めてしてしまうのか。29歳の守備の柱は、そうやって選手間でもイジられ続けてきたが、そのネタもとうとう打ち止めだ。

 中島依美(INAC神戸レオネッサ)の完璧なクロスにまず合わせたのは、初スタメンの土光真代(日テレ・ベレーザ)だった。今回センターバックとして、熊谷のパートナーを務めた。

 すると南アフリカの守備陣が懸命にかき出したボールが、熊谷の目の前にこぼれてきた。両チームの選手が殺到するゴール前、背番号4がヘディングで叩き込んだ。

 大喜びしていた熊谷だが、「ホッとしました」と本音もこぼした。

 実際のところ、セットプレーからの得点の少なさは、ここ数年のなでしこジャパンの課題でもあった。そこで今回、時間を割いてトレーニングに取り組んできた成果が早々に現れたのだ。

「ラッキーでした」

 熊谷は謙遜したが、ボールがこぼれてくる場所にポジションを取っていたからこそ。主導権がどちらに転ぶか分からなかった時間帯、一瞬の隙を突いて得点できたことで、南アフリカの出鼻を挫いてみせた。これに味をしめ、なでしこのキャプテンには、さらに爆発してもらいたいところだ。

 また今回の経験は貴重になった。欧米系のチームとは異なる足のリーチや出方に苦しみ、フィジカルチェックでも粘り強く対応してくる南アフリカに前半はかなり苦戦した。

「球際はほとんど負けていたと思うし、蹴られたら嫌だったなという場面もありました。あのスピードに対して、どこでどう抑えるのかはもっと詰めていかないといけない」

 熊谷はキャプテンとして、そのように反省もしていた。

 そうしたなか、なかなか叶わないアフリカ勢に、引き出しを増やしながら完封勝利を果たした。熊谷にとって、記念すべき日となった。

 日本女子代表はこのあと12月、E-1東アジア選手権に臨む。

関連記事:世界一のDF岩清水梓になでしこ特別賞。新たな夢「いつか一緒に」

[取材・文:早草紀子]

Posted by 早草紀子

Ads

Ads