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【柏】「背番号10」江坂任が受けたネルシーニョの薫陶「口酸っぱく言われてきた」

町田戦でフル出場しJ1昇格を決めた柏の江坂任。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

チーム内日本人最多ゴールでJ1復帰に貢献。町田戦はオルンガ不在のなか、CFとしてボールを引き出して快勝に導く。

[J2 41節] 町田 0-3 柏/2019年11月16日/町田市立陸上競技場

 柏レイソルのアタッカー江坂任がFC町田ゼルビア戦、センターフォワードとしてフル出場し、チームを3-0の勝利に導いた。背番号10をつけての2年目、中心選手としてチームをけん引して1年でのJ1復帰とJ2優勝に大きく貢献した。

 普段は2列目を主戦場にするが、今回、ケニア代表のFWオルンガが不在のなか、最前線に入り「ゼロトップ」気味にプレー。ボールを引き出しながら自らも積極的にゴールに向かって仕掛け、重厚の攻撃を築いた。

「どちらかというと(自分は)ボールに触ってリズムを作るタイプですけれど、今日は落ちて(中盤との)スペースを狭めるのもありだと思いました。ボールを触れない時間も多かったですけれど、そこはちょっと我慢して、相手の最終ラインにしっかりポジションを取り、サヴィオ(マテウス・サヴィオ)やヒシャ(ヒシャルジソン)のスペースを作ることを意識しました」

 そのようにスペースを作り出す動きを意識しつつ、状況に応じて縦に仕掛けたり、飛び込いだりして、効果的にアクセントをつけてラインブレイクにも成功。町田守備陣にとって、嫌がる存在となっていた。

 2014シーズン以来柏に復帰したネルシーニョ監督の下、江坂も信頼を得ながら、背番号10の責任を果たすように、勝利に貢献するプレーを見せてきた。

 いったい、どのようなことを指揮官から叩き込まれてきたのか? 江坂は次のように語った。

「全体での守備と、しっかり自分たちでボールを握るところです。そこは口酸っぱく言われてきたところで、最後までできたところだったと思います」

 連動した守備――。それがハマった時、柏のそのタレントが揃った攻撃陣もゴール前で真価を発揮していった。

 ただ、目標はすでにJ1にある。江坂自身も大宮時代の2016年から3シーズン、J1で戦ってきた。より高いJ1(さらに上)のレベルで通用する選手になるということを、常に意識してきたという。

「今シーズンを戦いながら、ずっとJ1で戦えるのか? と考えながらやってきました。そこはチーム全体でも意識してきたことで、あとはプレーの精度を上げていかないとJ1では通用しないと思います。やるべきことは変わらないですが、精度の部分は、より意識しないといけないと思います」

 流通経済大を卒業したあと、ザスパクサツ群馬を経てステップを踏んできた27歳のアタッカーが、今季、37試合に出場してチーム内日本人最多の11ゴールをマーク。柏の10番としての責任を果たし、2020シーズン、再びJ1の舞台に立つ。

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[取材・文:塚越始]

Posted by 塚越始

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