ルヴァン杯MVP男、川崎GK新井章太が千葉を選んだ理由とは?「フロンターレに残ることも考えたが」

川崎から千葉に加入した新井章太。写真:石田達也/(C)Tatsuya ISHIDA

ユン・ジョンファン監督就任による変化を最も間近で――。

「目標はJ1昇格と、『怖いチーム』を作ることを目指していきたい。相手が嫌がり、どんな試合展開でも諦めない気持ちを押し出し、みんなで頑張っていきいたいです」

 川崎フロンターレからジェフユナイテッド市原・千葉に加入した新井章太が1月6日、新体制発表記者会見で、そのように決意を語った。

 2019年ルヴァンカップ決勝の北海道コンサドーレ札幌戦、PK戦で5、6人目と2本をセーブ。”逆転”で制してMVPを獲得したのは記憶に新しい。

 リーグ終盤戦で韓国代表GKチョン・ソンリョンから守護神の座を奪い、チームを支えた。それだけに川崎での戦いを継続するものと思われたが……J2である千葉への移籍を選択した。

「フロンターレに残ることも考えていましたが、このチームが変ろうとしていることと、ユン・ジョンファン監督が就任して、どうように変わるのか、自分も楽しみにしていました。それが移籍を決めた理由です」

 千葉は2018年に72失点、2019シーズンに64失点を喫し、守備再建が重要な課題の一つだった。これまでの体制から守備の戦術的アプローチも変わるなか、高橋悠太ゼネラルマネジャーは新井獲得に動いた背景を次のように説明した。

「彼が持っている人間性やメンタリティは、今のジェフに足りない部分。それを含めて今回、オファーしました。バランスが取れていてデータ上でもハイボールのキャッチングやシュートストップ、フィードなどバランス良く、欠点がありません。かつチームを後ろから鼓舞できます」

 新井自身もユン・ジョンファン監督が指揮を執っていたセレッソ大阪との戦いについて、「嫌な相手でした。チームが一つにまとまっている印象を受けた」と振り返り、そんな監督の下で、「自分を鍛えたい」と思ったそうだ。

 とは言え、3年連続J1でタイトルを獲得した国内屈指の力のあるチームで必要とされながら、J2で17位だったチームに移籍することに、躊躇いはなかっただろうか? 

 そう聞かれると、新井はキッパリと言った。

「去年の結果は去年で、例え優勝チームであっても、それは去年の結果。17位でも問題視していません。戦える選手が揃っていると思いますし、あとは準備をしっかりすれば確実に昇格争いに食い込めます。今は期待しかありません」

 千葉の最後尾に安定感をもたらし、同時に熱い闘志をゴール前からスタジアム全体に伝播させることができる。31歳の新守護神に迷いはない。新井がいるから大丈夫――千葉のサポーターにそう思わせる試合が、2020年は増えそうだ。

[取材・文:石田達也]
text by Tatsuya ISHIDA

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プロフィール●新井章太/あらい・しょうた 1988年11月1日生まれ、埼玉県出身、31歳。185センチ・82キロ。上里FC ― 正智深谷高 ― 国士舘大 ― 東京ヴェルディ ― 川崎 ― 千葉。2019シーズンはJ1リーグ7試合、ルヴァンカップ5試合、天皇杯2試合に出場。Jリーグ通算41試合出場。

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