×

【浦和】興梠慎三が何としても勝ちたかった理由「親父が亡くなって…」ゴールと白星でJ1リーグ開幕戦を飾る

浦和の興梠慎三。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

汰木康也のクロスから反撃の口火を切る一撃!「若いヤツらには負けていられない」。

[J1 1節] 湘南 2-3 浦和/2020年2月21日/Shonan BMWスタジアム平塚

「なんとしても勝ちに持っていきたかったです」

 浦和のファーストゴールを決めたのはFW興梠慎三だった。

 16日に行われたルヴァンカップのベガルタ仙台戦は直前に足を痛めたこともあり、ベンチ入りしたものの出場せず。その試合で杉本健勇が2得点と大活躍した。

 しかし、このリーグ開幕、スタメンに名を連ねたのは、J1リーグ8年連続二桁ゴールを決めている33歳になるエースだった。

 そして先制点を許したものの、39分、汰木康也のクロスから、一度はシュートをGKに止められたものの、再び押し込み反撃の口火を切るゴールをもたらした。

 そこからレオナルド、関根貴大とゴールを奪取。相手のPK失敗にも助けられたが、アウェーの地で浦和が3-2の勝利――チーム全体の執念で勝点3を掴み取った。

 そして試合後、興梠はふとこんなことを漏らした。

「昨年末に親戚、それに親父と立て続けに亡くなって。親父のためにも頑張らないといけないなと思っていました。親父が亡くなったから『元気がなくなったようだな』とはあまり言われたくなかった。親父も天国で見守ってくれていると思います。でも一発目(最初の決定機)で決めないといけなかった」

 だから、2020年初戦、ゴールと結果にこだわった。アウェーでの湘南戦という難しいシチュエーション、そして4-4-2の新システム。昨季終盤は6試合勝ち星なしでフィニッシュをしていた。良い流れをもたらすためにも、この勝利は間違いなく大きな意味を持つ。

「このシステムはハードワークが求められます。特にボランチ、中盤、フォワード。汰木や関根、(柴戸)海。昨年はあまり試合に絡んでいなかったった選手も、今年はスタメンンで出るようになって、僕たちも刺激を受けていますし、若いヤツらには負けていられないなっていう思いもあります。チーム内での良い競争で、さらに強くなっていければと思います」

 そのように興梠は笑って言った。安堵したような、久々にこぼした笑顔だった。

「チームが目標としているACL出場権は必ず勝ち取りたいです」

 自身が作り出した前人未到の記録をさらに塗り替える9年連続J1リーグふた桁ゴールと、上位進出へ――。浦和のエース興梠が2020年リーグ初戦、力強く一歩を踏み出した。

関連記事:【浦和】マルティノスが鮮烈ショット「僕に合ったシステム。ヤマもね」

[取材・文:塚越 始]

Posted by 塚越始

Ads

Ads