横浜FM連覇への鍵。仲川輝人への圧巻高速パス、ティーラトンが語った「攻撃的なタメ」
横浜FMのティーラトン。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
シュート、そしていくつかのパスコース。「最後まで判断を待った」。
2月19日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ2節、J1リーグ昨年王者の横浜F・マリノスがオーストラリア1部・AリーグのシドニーFCに、4-0勝利を収めた。その4ゴールは、基本的にはいずれも横浜FMの選手たちがパスとスペースを突く動きを繰り返し、意図して狙った形から崩したファインゴールだった。
その一つである33分の日本代表FW仲川輝人のゴールもまた圧巻だった。
ゴール前でパスをつないで修正を重ねていき、左サイドバックのタイ代表ティーラトンがハーフスペースに顔を出す。
パスを受けたティーラトンはぐっとボールをキープ。そして次の瞬間、高速のキラーパスを放つ。すると、ゴールエリア内でマークを外した仲川が完璧にボールをコントロールし、シュートを突き刺してみせた。
このシーンについて、ティーラトンは次のように詳しく語ってくれた。
「ボールを収めた時に、タイミングを読んでいました。最後の最後までギリギリのタイミングを計り、誰が一番ボールを受けやすいのかを見ていました。そのタイミングで、テル(仲川)が見えてパスを入れたところ、決めてくれました」
ティーラトンはシュートの選択肢もあった。その中であらゆるプレーが選択できるポジションを取り、「攻撃的なタメ」から仲川へのパスを選択した。しかも、シュートに近いような高速パス。それを正確にコントロールした仲川の技術も光った。
「自信を持って出したからこそ、テルも決めてくれたと思います」
ティーラトンはそのように胸を張った。
今後はJ1・開幕戦のガンバ大阪(●1-2)のように、「対F・マリノス」の戦略を練って臨んでくるチームも増える。そうしたなか、いかに相手を上回るのか。
焦らず、急ぎすぎず――。ティーラトンが見せた”間合い”の活用は、今季を勝ち抜くための重要なファクターの一つになってきそうだ。
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[取材・文:塚越 始]