【新型コロナ】例えば無観客試合…価値観や考え方も異なる。Jリーグとプロ野球、開催決定は「個々の判断」になった背景とは?

合同で記者会見を行ったNPBの斉藤惇コミッショナー(左)と Jリーグの村井満チェアマン(右)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

プロ野球の無観客試合によるオープン戦は、20日開幕を目指した「断腸の思い」での措置。

 一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は3月2日、新型コロナウイルス感染拡大と予防に向けて、合同で「新型コロナウイルス対策連絡会議」を発足させると発表した。3月中旬を目途に感染症に関する医師らプロフェッショナルな3人で構成される「専門家チーム」の意見などを踏まえ、取りまとめや答申を得て、それぞれの団体が試合開催などに向けた意思決定を行う。

 2日に行われた記者会見には、NPBの斉藤惇コミッショナーとJリーグの村井満チェアマンが出席。そのなかで、村井チェアマンはこの連絡会議が担う「責任」について次のように語っていた。

「影響力や影響の範囲については、大変緊張感のある状況にあると捉えています。今回まず第一に命に関わることであり、まさまざまな角度から複合的に考察し判断しなければいけないと考えています。一方、適度に体を動かすこと、心に躍動感や感動・感情を表すことは、ある意味免疫力を高め幸福感を養うなど重要な要素の一つだと思っています」

「スポーツが健全に行われることが、国民に貢献である要素であるのも事実です。スポーツは裾野が広く、飲食関係者、宿泊関係者、交通関係者、さまざまな方が職業として、このスポーツを支えてくれていますので、そういった方々の思いも視野に入れなければいけないと思っています。ある側面だけではなく、さまざまな角度からご意見をいただくことが重要だと考え、サッカーだけで、私だけでは判断に偏る可能性もあり、野球界、そして野球界にご縁のある方々にご支援をいただきました」

 また、新型コロナウイルスに関する専門家の意見や判断は共有したうえで、最終的な決断は両団体それぞれが決定をすることになっている。そのことについて、両者も見解を示した。

 NPBの斉藤惇コミッショナーは、次のように説明した。

「お客さんなしのオープン戦を野球の場合やろうと全員一致で決めましたが、それは20日には開幕をしたい。そのために、それを前提に断腸の思いで、お客さんなしで試合をやろうという決断をしました。しっかり専門家の話もお聞きしたうえで、完全な完治はすぐにはできないなか、では、どういった状況になれば、関係者の賛同を得て開催できるかどうかを考え、こうした連絡会議をスタートさせることに至りました」

 また、村井チェアマンは次のように語った。

「(最終的な意思決定は)それぞれ独自に判断をしていこうということを決めています。大会形式も試合日数も、シーズン期間もまったく違います。無観客試合というようなスタイルだったり、試合日程の延期だったり、それぞれの歴史や価値、文化、サポーターの思いがあり、いただいた専門家の判断は一つですけれど、それを参考にしながら、個々に判断していきたいと思っています」

 例えば無観客試合については、今回プロ野球は異例の措置としてオープン戦で対応した。一方、サッカーではやはり罰則的な意味合いが大きい。村井チェアマンのコメントからは、そういったニュアンスも感じ取ることができる。

 Jリーグは3月15日までのJ1・J2・J3・ルヴァンカップの全公式戦94試合の中断を決定、18日に再開する予定である。一方、プロ野球は2月29日から3月15日までのオープン戦と春季教育リーグの全72試合を無観客で実施する方針を発表し、20日に開幕を迎える予定だ。これから専門家チームの意見を受けて、両団体から今後、実際に試合を開催するのかどうかなど方針が発表される。

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[取材・文:塚越 始]

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