【浦和】武藤雄樹が考えるコロナ禍でのサッカーの価値「今は必要ではないかもしれない。でも勇気と元気を与えられる時が来ると信じて」

ビデオ取材に応じた浦和の武藤雄樹がガッテンポーズ!協力:浦和レッズ  (C)SAKANOWA

家族と過ごす時間が増え、「娘がパパッ子になってきました」。

 浦和レッズのFW武藤雄樹が4月20日、ビデオ会議システム(Zoom)を活用したメディア取材に応じて、新型コロナウイルスによりリーグが中断するなか、現在の率直な心境を語るとともに再開後への抱負を語った。武藤は「今、絶対にサッカーが必要ではないとは思うけれど、サッカーの価値はあるはず。安心してサッカーを見せられるようになった時、皆さんにストレスを発散してもらえるようなプレーを見せることが、僕たちの価値。勇気と元気を与えられるなプレーができるように準備をしたい」と語った。

 武藤はまず再開延期の発表が続き、Jリーグのスケジュールが「白紙」となった現状について、次のように語った。

「僕が簡単に捉えていたのかもしれませんが、そのうち収束を迎えて再開するのではないかと思っていた部分はありましたが、みんなにとって辛い状況になってしまい、正直、再開について、今は考えづらい状況にあります。Jリーグというより、まず、みんなが健康を大事にしていかないといけないですし、今は再開に向けて何かという感じではなく、難しい状況だと思っています」

 また、現在の1日の過ごし方について、武藤は次のように語った。

「起床したあとまず15、30分は読書をする時間を作っています。サッカーがない、練習がない、仕事がないというところで、家族との時間が増え、もうすぐ3歳になる娘と遊んでいます。少しずつパパっ娘になってきています(笑)。それから自宅で筋トレをしたり体を動かし、人がいない時間帯になると近くを走るようにしています。その時にファンやサポーターの方から、『頑張れよ』と声をかけてもらうこともあります。今はモチベーションの持ち方も難しい状況ですが、また皆さんの前で、しっかりと、元気や勇気を与えられるようなプレーをしないとと思わせてくれます」

 何より再開の時期が見えないことが辛いとも明かす。ベガルタ仙台時代の2011年、東日本大震災による中断期と異なる点について、次のように語った。

「たくさんの人が辛い思いをしているなか、2011年、仙台は被災地であり本当にできるのかと思っていました。ただJリーグの再開時期が発表され、そこに向けていこうと思えました。今、僕たちは再開の時期が見えていない。いろんな部分で難しいです。仙台時代のことを考えると、再開後、べガル仙台は『希望の星になる』をキーワードにして、人の気持ちを本当に動かせる試合をできたと思いました。今回も、再開した時には、辛い思いをしているたくさんの方たちのために、勇気や希望を与えられる試合をしたい。そういったところにサッカー、スポーツの意味があると思うので、見せられるようにやっていきたいです」

 そのように浦和のナンバー9は決意を示した。

 またアスリートとしての「無力感」、「意義」どちらが強いかと問われた武藤は、「その両方です」と答えた。

「気持ちや考え方としては両方の部分があります。Jリーグがないから、本当に生活ができないかと言われれば、そうではないと思います。生きていくうえで、もっと大事なものがあるかもしれないけれど、それでもサッカーやスポーツが持っている、たくさんの人に与えられる価値があるのではないかと思っています。まずはみんなの健康が第一ですし、そのなかで、安心してサッカーが見られる状態になった時、ストレスを解消させられるようなプレーを見せること、頑張っていこうと思ってもらえることが僕たちの価値だと思います。その時のために準備したいです。今、絶対にサッカーが必要ではないかもしれませんが、ただ、サッカーが持っている価値もあると思います。それを皆さんが感じられる時に、より多くのものを与えられればと思います」

 先が見えないなかで武藤はそのように語り、ただ再開後については――「ゴールを決めたいです」と明快に答えた。

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[取材・文:塚越始]

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