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コロナ禍…ブンデスリーガ5月再開、ドイツの警察は疑問視

ハノーファーの原口元気。ブンデスリーガは再開できるのか?写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

主要リーグで最初の再開を無観客で検討。警察の動員増など課題も。

 ドイツ・ブンデスリーガは4月23日、新型コロナウイルスの感染拡大によって中断されているリーグ再開の方針について発表する。ドイツ政府は5月3日までの都市封鎖(ロックダウン)を決めており、最短で8日か9日から無観客試合(ドイツでは「Geisterspiel(ガイスターシュピール)= ゴーストゲーム」と呼ばれる)での試合開催を目指すと言われる。メディアによっては16日、23日の案も挙げられている。ブンデスリーガのクリスティアン・ザイフェルトCEOが21日に発表した声明では、「一部の州知事が5月のリーグ再開を目指した考えを示したことは朗報です」と受け止めるものの、「シーズン再開を決定するかどうか、また最終的な日程については、政治機関の見解に委ねられています」としている。

 感染者の増加数が最初のピークを越えたと見られるドイツ国内では、リーグ再開に賛否両論が出ている。

 そうしたなか、ボルシア・ドルトムントの地元紙『ルール・ナッハリヒテン』は、「ゴーストゲームの議論。警察の明確な主張」と題したレポートを掲載。ドイツの警察は、リーグ再開について疑問を投げ掛けているという。

 記事では「BVBはブンデスリーガ再開を訴え、他のクラブもゴーストゲームを支持している。しかし反対する立場の者もいる」として、警察について触れている。ドイツの警察労働組合(Gewerkschaft der Polizei = GDP)は、ウイルス感染が続くなかでの試合開催には疑問を抱いているというのだ。

 同メディアは同組合の副代表の話として、次のように課題を挙げる。

「いずれにせよサッカーが行われれば、人は集まります」

「サッカーの試合が開催されれば、警察官の動員を増やすことになります」

「そうしたイベントには、ファンなどの移動が伴う。どうしても、人的な問題が必ず発生するでしょう」

 つまり、警察としては協力しなければならないが、まったく状況が読めないということだ。万が一、予想もしていなかったような、人が集まる状況になれば、いろいろな意味で、これまで保たれてきた努力や秩序が水の泡になるリスクもある。何か問題が起きた場合、ドイツのみならず、他国のリーグ再開にも影響を与えるだろう。

 2部ハノーファーに所属する日本代表MF原口元気はこのほど更新した「note」のなかで、4月6日に練習を再開し「現時点でブンデスリーガは、シーズンの残りの試合を行うのか中止になるのか決まっていない」「先は見えないが、シーズン再開に備えてチーム練習も再び始まった」と報告。6人ほどのグループ練習を続け、接触プレーは避けているという。

 果たしてブンデスリーガはどのような決断を下すのか――。

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[文:サカノワ編集グループ]

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