ブンデスリーガ総会、再開日程決まらず「政治家の判断次第」
ブレーメンの大迫勇也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ドイツの一部メディアが報じてきた「5月9日案」は消える。
ドイツ・ブンデスリーガは4月23日に1・2部の36クラブ代表による総会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大によって中断されているリーグ再開に向けて確認したが、結局、具体的な再開日程については論議されなかった。ブンデスリーガのクリスティアン・ザイフェルトCEOは、1・2部ともに5月から無観客試合(ドイツでは「Geisterspiel(ガイスターシュピール) = ゴーストゲーム」と呼ばれる)での再開に備ているが、日程については責任ある政治家の判断次第。決定が下された場合すぐ対応する、という方針を示した。事実上、ドイツの一部メディアが報じていた、最短での再会案だった5月9日はなくなったと見ていいようだ。
またブンデスリーガは、ほとんどのメディアと金銭面で合意に達し、クラブ運営に必要な資金について来月分については流動性を持たせることになったという。しかし、もしもシーズンが中止になった場合、その支払いを差し戻すことになる。そこが最大の課題になりうるということだ。
1部・2部の36チームは5月に再開するための準備は整えた。あとは日程について、責任ある政治家(州知事、首相ら)の判断に委ねられる。また、ブンデスリーガは試合ごとにPCR検査を実施するための50万ユーロ(5800万円)を提供。すでに保健省とも協議し、その検査キットは老人ホームなどでも活用されるそうだ。
そしてスタジアム内は、選手、スタッフ、メディアなど213人、スタジアムによっては、警備員などさらに109人を増員できる。2部リーグは188人までに抑える。
3部リーグと女子ブンデスリーガには、それぞれ750万ユーロ(約8億7500万円)を短期的な助成金として支払う。
ドイツ政府は5月3日までの都市封鎖(ロックダウン)を決めているが、一部商店の営業を認めるなど、徐々にこれまでの規制を緩和している。ただし8月までの大規模イベントの中止を決定しているため、事実上、ブンデスリーガが試合を開催するためには無観客でしかできない。
感染者の増加数が最初のピークを越えたと見られるドイツ国内だが、リーグ再開については賛否両論の声が上がっている。
今季のブンデスリーガには現在、1部に大迫勇也(ヴェルダー・ブレーメン)、長谷部誠と鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)、2部に遠藤航(VfBシュトゥットガルト)、原口元気(ハノーファー96)、宮市亮(FCザンクト・パウリ)が、トップ契約を結んで在籍している。
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[文:サカノワ編集グループ]