【鳥栖】主将の小林祐三が経営危機報道に見解「未来について話していきたい」。15日に全体練習再開
オンラインによる記者会見に臨んだ鳥栖の小林祐三。(C)SAKANOWA
当面、選手はクラブハウスを使用せず。グラウンドに直行直帰。
J1リーグのサガン鳥栖が「Jリーグの日」にあたる5月15日、北部グラウンドで新型コロナウイルスの影響により中断されていたトレーニングを再開する。それに先駆けて、キャプテンである小林祐三、金明輝監督、竹原稔社長がオンラインで記者会見を行った。
そのなかで小林は、まず「新型コロナウイルス感染により被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます」と語るとともに、感染された人たちや医療従事者に対し、選手会やクラブとしても長期スパンで支援していく考えを示した。
そのうえで、この中断期間中にクラブの経営問題が様々な形で取り上げられたことについて言及。小林は次のように呼び掛けた。
「(竹原稔)社長から選手・スタッフに向けて、オンラインによるミーティングで、しっかりとした説明をしてもらいました。メディアの皆様も試合がないので、過去を切り売りしたり、誰かの言葉尻を取ったりすることに走ってしまいがちかもしれませんが、個人的にも、クラブとしても、これからはサガン鳥栖や日本サッカー界の未来の話をしていけたらと思っています」
そして15日からの練習再開について、小林は慎重を期して取り組むと強調した。
「この自粛期間、サッカー選手も一人の人間であり、生活に不安を抱える選手もたくさんいました。その中で、自分たちも何ができるのかとしっかり考えながら、自粛しつつ、個人で自主練習に取り組み、オンラインによるトレーニングもこなしてきました」
クラブが外部講師を招いたメンタルトレーニングも実施してきたと言う。小林は続ける。
「とはいえ、北部グラウンドの芝生の上で選手・スタッフ全員が集まってサッカーをすることで、僕たちは喜びを感じ合えるというのが正直なところで、こうした事態のなか、練習再開することで、鳥栖市、佐賀県民の皆様を勇気づけたり、元気づけたりすることにつながったら嬉しいと思っています」
今後は、新型コロナウイルス感染の2波、3波が来る可能性は高いと言われる。そうしたなか、万全な注意を払いながら、リーグ再開に備えたいと考えている。何よりも「クラブでクラスターを起こさないように、徹底して、選手・スタッフで取り組んでいくことを約束します」と、鳥栖のキャプテンは気持ちを引き締めていた。
金監督と竹原社長によると、15日からの練習は、全員が集まったなか、まずソーシャルディスタンスを保った形で行われる。当面は接触プレーはせず、政府の見解などに従い、対人練習などを取れ入れていく。また、検温報告、行動記録報告、飲料水の共有での使用禁止、消毒などを徹底。晴天時にはクラブハウス使用せず、選手は車などでグラウンドまでの直行直帰とする。当面の間は非公開で、選手によるファンサービスなども実施されない。
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[文:サカノワ編集グループ]