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交代枠の特例。天皇杯は決勝まで「5人」OK、W杯予選は「3人」のまま

天皇杯を制したヴィッセル神戸。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

JFAが新ルールを解説。ハンドの対象となる「腕」がどこまでなのかも具体的に規定。

 日本サッカー協会( JFA )は6月11日、国際的な統一ルールを定めるIFAB(国際サッカー評議会)が発表した2020-21シーズン競技規則改正についてのメディアブリーフィングを行った。新型コロナウイルスの影響によって中断または中止される大会・コンペティションについて、再開時に今回の新ルールと2019-20シーズンのルール、どちらを採用しても良いことになっている。Jリーグ、なでしこリーグ、JFL、天皇杯など日本国内の各種大会はこの新ルールが適用される。

 特例ルールである1試合中の「5人交代枠」だが、「2020年内に終了予定の競技会が対象」と規定されていた。しかし、JFAがFIFAに問い合わせたところ、2021年の元日に決勝が行われる天皇杯も「5人交代枠」ですべての試合を開催できると確認を取れたそうだ。

 一方、カタール・ワールドカップ(W杯)予選に関しては、3人交代枠のまま実施される。

 新たな改正では、まず、ゴールポストとクロスバーの形状について、これまでは「正方形、長方形、円形、または楕円形のいずれかでなければならない」とされてきたが、今後は、その4種類を組み合わせることも認められる。例えば、クロスバーが長方形、ゴールポストが円形なども可能になる。

 ルール面では、「偶発的であっても、ボールが手や腕に当たり、直接得点となる」「偶発的であっても、手や腕に当たったボールを保持したり、コントロールした後得点する、 あるいは得点の機会を得る」と、偶然に手/腕にボールが当たってゴールした場合、すべてハンドの対象となる。ただし“直後”に決まった場合と定められていて、どのあたりまでを“直後”と捉えるかは、主審の裁量に委ねられる。

 加えて今回、「どこまでが腕(ハンド)なのか」という点について、「ハンドの反則を判定するにあたり、腕の上限は脇の下の最も奥の位置までのところとする」と、具体的に規定された。今後は、例えばボールを、肩の付け根とハンドの規定にかかる両方の部分で扱った場合、今後「ハンド」となる。これまで曖昧だった解釈を明確にした形だ。

 また、前回の改正によって、警告や退場の対象となる反則を受けたあとでも、いわゆるクイックリスタートが認められることになった。そして新ルールでは、以下のように定められた。

「警告や退場となるべき反則に対して、主審がアドバンテージを適用したとき、この警告や退場処置は、次にボールがアウトオブプレーになったときに行われなければならない。しかしながら、反則が相手チームの決定的得点の機会を阻止するものであった場合を除き、競技者は反スポーツ的行為で警告され、反則が大きなチャンスとなる攻撃を妨害、または阻止したものであった場合は警告されない」

 JFAは「主審がDOGSO(決定機阻止)の反則にアドバンテージを適用した場合、退場から警告となることから、これと整合性を取るため、SPA(大きなチャンスの阻止)の反則にアドバンテージを適用した場合、警告とすべきではない」と解説。ただし上記で規定されているように、反スポーツ的行為であれば、警告の対象となるということだ。

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