【鹿島】ザーゴスタイルはボランチが「肝」。永木亮太の覚悟と充実、『再認識』したサッカーへの純粋な思いとは?
トレーニングをする鹿島の永木亮太。(C)KASHIMA ANTLERS
「普段練習ばかりしていると休みが恋しくなるけれど、今回は逆で――」
J1リーグの鹿島アントラーズのMF永木亮太が6月11日、オンラインによる取材に応じて、ザーゴ新監督のもとで課せられるボランチの役割、そして改めて自己の中で認識したという純粋なサッカーに対する思いについて語った。
永木はまず次のように現状について報告した。
「ハードなトレーニングが続き、最初はきつかったですが、それにも慣れてきて、コンディションも上がってきていると実感しています。ゲーム形式のトレーニングもたくさんできて、ゲーム体力を含め、どんどん上がってきています。あとは戦術の構築をできてきています。そういったところと、フィジカルの部分を高め、再開の川崎戦に向けてやっていきたいです」
コンディションを高めつつチームとしての戦いを改めて徹底する段階に入ってきている。自宅待機での自主練、グループ練習、全体練習と段階を踏んできたが、「チームメイト、コーチングスタッフ、たくさんのコミュニケーションが取れていて、そのことをプラスに捉えています」と受け止める。
そして鹿島の「6番」はザーゴ監督のもとでのボランチの重要性について語る。
「ポゼッションの時、ボランチは、一人落ちてGKやセンターバックとしっかりつないでいく役割を担い、もう一人はポゼッション時に少し前目にポジションを取ります。後方のボランチは、なかなか経験できないポジション取りで、求められることの難しさもあり、ボールを失えば失点につながりかねない危険もあります。逆に言うと、あまりやってこなかったところ。自分の成長につながると思ってできています。ミスは許されないという危機感とプレッシャーを、公式戦ではそれを強くしていかないといけない。緊張感もあって面白いです」
ザーゴスタイルの「肝」であることに責任感も感じている。
「ディフェンスの時もボランチが中心になって、しっかり真ん中にポジションをとって、一番危険なところを埋めてくれと指示を受けています。ザーゴさんのサッカーにおいて、攻守の肝になるのがボランチだと思っています。すごく楽しみながらできています」
加えて、今はサッカーができる喜びを噛み締めている。純粋にリーグ再開の日、そしてピッチに立つ日を心から楽しみにしている。
「ここまでサッカーができないと、サッカーがしたくなる欲求がすごく強くなります。普段練習ばかりしていると休みが恋しくなるけれど、今回は逆で、休みが続くとサッカーがしたくなるのを改めて素直に感じられました。そういった気持ちを自分のモチベーションにして、『サッカーをやっていないとダメな体なんだな』と再認識できました。ずっとサッカーをやっていると味わえないこと。自分の中で、すごく新鮮に感じた感情でした」
鹿島のボランチには、レオ・シルバ、三竿健斗、小泉慶、名古新太郎、そして永木がいる。戦い抜くため、勝ち続けるため、チームのために、誰よりも走り、体を張り、汗をかける永木がいるのは心強い限りだ。
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[取材・文:塚越始]