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【岡山】ピンチの連続…GKポープ・ウィリアムが咄嗟にヘディングクリアを選択した「二つの理由」

試合後のオンラインでの取材に応じた岡山のポープ・ウィリアム。(C)SAKANOWA 協力:ファジアーノ岡山

磐田相手に一人退場、19本のシュートを浴びたものの引き分け、“デカい”勝点1を掴む。

[J2 3節] 磐田 1-1 岡山 / 2020年7月5日/ヤマハスタジアム

 J2・3節のジュビロ磐田対ファジアーノ岡山は1-1で引き分け、ともに勝点1を分け合った。岡山は68分に一人退場者を出したものの必死に耐えて反撃を試みる展開に。その最後尾で奮闘したのが、今季開幕からゴールマウスを守るGKポープ・ウィリアムだった。

「本当にタフなゲームでした。10人で数的不利になってから、全員でよく耐えて頑張ってくれました。デカい勝点1だと思います」

 岡山の背番号22はそのように、昨季J1だった磐田相手のドローを評価した。シュート数は磐田の19本に対し岡山は3本。最後は猛攻にさらされ、辛うじて守り抜いた、と言えた。

 そうしたなか再三の好セーブを見せたポープは、自身のパフォーマンスについて、「防げるところは防げましたが、1点やられてしまっています。そこで勝点3をもたらせるゴールキーパーにならないといけない。そこは追求していかなければいけない」と、決して満足していなかった。

 ポープの瞬間的な判断力が光ったプレーがあった。

 アディショナルタイム突入直前の90分、磐田のサイドチェンジを経ての右からのクロスをルリーニャにヘッドで合わせられる。するとゴールライン上にいた濱田水輝がこのシュートをサイドキックでクリアする。

 ボールはすぐそばにいたポープの目の前に飛んでくる。そして瞬時にヘディングでのクリアを選択。右サイドにいた味方にボールがわたり、このピンチを凌いだ。

 ポープはなぜキャッチではなく「ヘディング」を選択したのか。そのプレーについて、次のように説明した。

「咄嗟に飛んできたので、これはヘディングをしようと思いました。(キャッチをすればバックパスに扱われるかもしれないと思った?)そうです。パスと見られるかもしれず、ちょっとキャッチするのが怖かったです。それに、右サイドには相手選手がいなくて、味方がいるのも見えたので、そこでヘディングを選択しました」

 咄嗟の判断ではあった。ただし、「バックパスになるかもしれない」「右サイドは空いている」という状況を瞬間的に分析していた。そのうえで、最もセーフティなプレーを見極めていたことが分かる。

 次につながる勝点1の上積み。次節はFC琉球を4-0で撃破したギラヴァンツ北九州とホームで対戦する。観客の一部入場も認められる予定だ。

「今回勝点1になってしまいましたが、次は勝点3を取れるようにいい準備をしたいと思います。もう一度リフレッシュして、またやっていきます」

 開幕から3試合連続フル出場し、チームは1勝2分と負けなし。岡山らしい堅実なスタートを切り出せたとも言える。そして、ある意味、一つの節目となる次戦、この4か月の中断をともに乗り越えてきたファジアーノサポーターに、勝点3をプレゼントしたい。

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[取材・文:塚越始]

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