【柏】神谷優太が89分に走り抜く鮮烈ショット「愛媛に行ったことがプラスに」
浦和戦後にオンラインでの取材に応じた柏の神谷優太。(C)SAKANOWA 協力:柏レイソル
「正直まだまだ。もっと向上心を持ってやっていかないといけない。ただ何より監督の誕生日にいいプレゼントを贈れたと思います」
[J1 6節] 浦和 0-4 柏/2020年7月22日/埼玉スタジアム
柏レイソルのMF神谷優太が浦和レッズ戦で先発フル出場を果たし、試合終了間際の89分には右サイドを走り切って右足を一閃、ダメ押しの4点目を叩き込んでみせた。運動量、迫力、球際への執着、勝負へのこだわり、4-0のスコアが示す通り、あらゆる面で浦和を上回った象徴とも言える渾身の一撃だった。
89分、自陣センターサークル付近で三原雅俊が長澤和輝へのパスをカット。そのボールをちょうどハーフウェーラインで拾った神谷が持ち上がり、ペナルティエリア内に入ったところで思い切り右足を振り抜き、豪快にゴールネットを揺らしてみせた。
「最初にボールを持った瞬間、中に(味方)二人いるのが見えました。ただそこにDFも付いていたので、1対1で仕掛けるべきだと思いました。時間帯も考え思い切り(足を)振っていくことが大事だと、シュートを選択しました」
神谷はそのように自身のゴールを振り返った。
56分にはクロスをヘッドで折り返し、仲間隼斗のチーム3点目のゴールもアシスト。開幕から3試合は途中出場だったが、先発に抜擢された2試合目の前節・湘南ベルマーレ戦(〇3-2)は2アシスト、この浦和戦は1得点・1アシスト。ネルシーニョ監督の期待に応えている。
「でも正直まだまだですし、もっと向上心を持ってやっていかないといけない。もちろん結果を残すことが選手にとって一番大事な部分で、何より今日(7月22日)、監督の誕生日(70歳)にいいプレゼントを贈れたと思います」
神谷は笑顔を浮かべ、指揮官の“古希祝い”ができたことを喜んだ。
湘南ベルマーレで2016、17年と過ごし、昨季まで2シーズンは愛媛FCに期限付き移籍。移籍期間の終了に伴い、今季、柏へ完全移籍で加入した。23歳の攻撃的MFは愛媛で背番号10を背負い、中心選手としてプレーしたことは間違いなく「プラス」だと捉えている。
「愛媛FCに行ったことが僕にとってすごくプラスで、チームへの責任感や自分がゲームの流れを変えるんだという気持ちを成長させてもらえました。技術面のみならず精神的な面で、行って良かったと考えています」
柏も1年でJ1復帰を果たし、神谷もJ2から再び這い上がってきた。だからこその負けん気であり意地もある。
「J2から上がってきた野心を持っている選手ばかり。そういう選手が揃えば、相手に脅威を与えるチームになるのかなと思います」
復帰2年目のネルシーニョ監督のもと、リーグ再開後は3連敗から2連勝。その中で柏の勝利のために情熱を注ぐ神谷が、眩い輝きを放っている。
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[文:サカノワ編集グループ]