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【Jリーグ】赤字が5増の計23クラブに。2019年決算確定

写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

“赤字が決して悪くはない”というスタンス。柏の赤字10億円は「攻めの予算を組んだ結果で想定内」。

 Jリーグは7月30日、2019シーズンの全55クラブの経営情報を開示した。5月発表の時点では、新型コロナウイルスの影響で株主総会が開催できなかったり、監査が滞っていたりするクラブがあったが、今回10クラブが追加され、すべてのクラブの情報が出揃った。そのうち新たに柏レイソル、ジュビロ磐田、水戸ホーリーホック、SC相模原の4クラブが、赤字決算であると報告された。この結果、赤字計上は、18年の18クラブから5増の計23クラブとなった。また相模原が2年連続の赤字だった。

 今回開示されたのは、柏、磐田、水戸、相模原、湘南ベルマーレ、栃木SC、東京ヴェルディ、横浜FC、レノファ山口、Y.S.C.C.横浜の10クラブ。

 スポンサー企業(オーナー)による人件費補填がより目立つものの、2019年は前シーズンと比較して、35クラブが増収、18クラブが減収。J1クラブがリーグ全体の成長を強くけん引した。

 2019シーズンのトピックスとしては、営業収益は55クラブで合計1325億円(前年比68億円増)のうち、スポンサー収入640億円(前年比45億円増)、入場料収入216億円(前年比23億円増)。

 営業費用は、55クラブで計1346億円(前年比114億円増) のうち、チーム人件費644億円(前年比61億円増)。クラブ別トピックスでは(5月に発表済)、ヴィッセル神戸がJリーグ史上最高営業収益114億4000万円を計上。サガン鳥栖は赤字20億1000万円を計上。FC琉球は4期連続赤字。ただし財務基準には抵触しない。

 55クラブの中で赤字決算は23クラブ。とはいえ投資的な意味合いもあり、Jリーグの担当者は「赤字が必ずしも悪くはない、というのがリーグの見方。赤字だから経営が上手くいっていない、というわけではないと考えています。とはいえ各クラブにバラつきがあり、J1では鳥栖の20億円、柏の10億円、その両者の赤字額が大きく、全体に与える影響も大きかったと見ています」と説明があった。

 今回開示された柏の赤字額10億1300万円について、リーグ担当者は個別の数値増減に関するコメントはできないとしたうえで、「ある意味予定通りで、少し攻めの予算を組んだ結果、2019年度は赤字を計上した。特に想定外の収益減や費用が増加したことではないと認識しています」と説明があった。

 また、財務に関する「新型コロナウイルスの影響による特例措置」について、これまでのところ、リーグへの申請はないそうだ。ただ今後、クラブとやりとりをしてくことになるという。

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[取材・文:塚越始]

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