【横浜FM】前田大然がJ連覇とACL制覇を誓う「ゴールで貢献」「反町さんとポルトガルを経験、もうどこでもできる感覚」
オンラインによる加入記者会見に応じた横浜FMの前田大然。(C)Y.F.M
加入記者会見で、「より高いレベルでプレーしたい思いを尊重してくれた」と松本への感謝も語る。
CSマリティモへのレンタル期間終了に伴い松本山雅FCから横浜F・マリノスに再び期限付き移籍したFW前田大然が8月4日、オンラインによる加入記者会見を行った。22歳の日本代表アタッカーは「横浜F・マリノスがリーグ連覇できるように、ちょっとでも貢献できるように頑張ります」と抱負を語った。
マリティモではレギュラーとしても活躍して23試合・3得点を記録。ただポルトガルでの新型コロナウイルスによる感染状況やロックダウンされた生活への影響は、日本の比ではなかったと説明。家族3人が異国の地で孤立した状態にもなったという。そうして様々な面で先行きが分からなくなるなか、オファーの届いた横浜FMでの戦いを決断した。
「昨年のチャンピオンであり、攻撃的なサッカーの中でどれだけできるのか、自分を表現したいと思い、マリノスに決めました。まず早くマリノスで、出場時間を勝ち取っていきたいです」
そう語る前田は、横浜FMの試合をチェック。サイドアタッカー、そしてFWとしての純粋な特長を発揮できると感じた。加えて、遠藤渓太のウニオン・ベルリンへの移籍、そして仲川輝人の右ハムストリング肉離れによる全治4週から6週間の離脱もあり、横浜FMにとっても重要な戦力となる。
「前線の選手は、自分から仕掛けることが求められ、それを僕ができればと考えています。どのようなことをすればいいのか、自分の中では理解できているつもりです。あとは自分が出すだけ。(ポステコグルー監督の戦術を理解することについて)海外で通訳がいないなかでやっていたので、難しさは十分味わってきたので、まだこれからですが、むしろやりやすさを感じています」
確かにより高いポジションで仕事をできる環境は、前田にとってプラスと言える。
「(移籍期間は)半年しかないので、しっかり試合に出ないといけない。ただ試合数はたくさんあります。連覇しないといけない、それにACLも獲らないといけないチーム。そこにゴールで貢献したいです。上を目指すだけです」
また、この移籍を認めてくれた松本に対する想いを、次のように語った。
「昨年の夏、僕が海外へ行きたいという思いを受け入れて、チャレンジさせてくれました。今回、より高いレベルでやりたいという考えを尊重してくれて、本当に感謝しています。その感謝の思いは、プレーで見せていくしか方法がないと思っています。しっかり結果を残して、松本のファン・サポーターに喜んでもらえるように頑張りたいです」
松本では反町康治前監督(現・日本サッカー協会技術委員長)の周到な対策のもと、前田自身も進化を遂げてきた。練習など準備段階で徹底的に頭を働かせる、という点では、ポステコグルー監督の戦い方と共通する点がある。
「反町監督は、これまでで一番難しい監督だと言っても過言ではありませんでした。その中でやれた経験が生きて、次にポルトガルでは何も分からない状態でもやれました。もう、どこでやってもできるかなという感覚があります」
思考する感覚派。そのように、今の前田は“怖いものなし”という状況だという。
横浜FMで活躍して優勝に貢献すること。自身としてもタイトルへの渇望は強い。“世界”への思いを問われれば、「しっかり結果を残して、チャンスがあれば掴みたい」と意欲を隠さない。遠藤、仲川、マテウスらの特長と符合するタレントでもあり、これまで以上に“攻撃的な前田大然”が見られるのは楽しみだ。日本屈指の高速アタッカーが、横浜からJリーグを熱く盛り上げてくれそうだ。
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[取材・文:塚越始]